四 叔父の暴行

「どういう事だ!説明しろ!?」

 叔父が怒鳴り込んできた。

「見合いか?アンタのセフレは困るぜ・・・」

「ウッ!」

 一瞬、叔父が怯んだ。


 俺は間髪を入れずに捲し立てた。

「いっその事、セフレを女房にすりゃあいい・・・」

「そりゃあ、おめえ・・・」

「横村美枝が全て説明したぜ。てめえの女房に知られたくなかったら、黙って出てゆけ!二度と敷居を跨ぐな!跨いだ時は、録音した横村美枝の説明を、SNSで公表する!

 知られていいなら、ここで決着点けてやる!」


「何だと!」

 叔父が左手で俺のポロシャツの襟首を掴み、右握り拳を後方へ引いた。


 その時、古田和志が応接間に駆けこんだ。状況をスマホで録画している。


 叔父か右拳を俺の左顔面に放った瞬間、俺は左腕で叔父の拳を払い、同時に右手で、襟首を掴んでいる叔父の左手を合気道の小手返しで外し、叔父をねじ伏せ、左拳で叔父の右顔面を殴った。


「正当防衛だ!警察を呼ぶぞ!」

 古田和志がそう叫んだ。

「ああ、呼んでくれ!家屋不法侵入もある!これで、前科者だな・・・」

 古田和志がスマホの録画を停止して、警察を呼んだ。


「なんだと!」

 叔父がそう怒鳴った。

 俺は、これまでの恨み辛みを兼ねて、叔父の顔を何度も殴ってやった。

「暴行と家屋不法侵入だ。あきらめろ。これで、全てが明るみに出るぞ。

 おとなしく引っ込んでいればいいものを、余計な欲を出すから、こうなるんだ。

 仕返しに、人を雇って放火や暴行をしよう何て思うなよ。俺たちの仲間が見張ってる。

 最近、都市化が進んで物騒だから、自警団を結成したんだ。

 おまえもリストに載った。今後、お前は死ぬまで監視される。覚悟しとけ!」

 俺は事実を言った。

「・・・」

 叔父は黙ったままだった。


「警察が来たぞ」

 聞こえてきたサイレンが停止して、警官が二名駆けつけた。状況説明を聞き、古田和志の録画を警官のスマホへ転送すると、警官は叔父に手錠をかけて、最寄りの警察署に連行した。

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