シンの物語

青燈ユウマ

【第1部】高校生編

プロローグ


 ――――惨めになんだよ……!!!!――――。


「うわあああああ!!!!」


 俺は恐ろしさのあまり飛び起きた。額には汗が滲み、心臓が痛いくらいに脈を打っている。カーテンの隙間から差し込む朝日を見て、少し気持ちが落ち着いてきたのを感じた。


「……またこの夢か」


 最近悪夢を見ることが増えた。何の夢なのか、何が惨めになるのかは分からない。ただ、黒い靄の中で誰かが惨めになると悲痛に叫んでいる。この叫び声は、まるで何か恐ろしいことが起こる前兆のような気がして、毎回恐怖のあまり飛び起きてしまっていた。


「あいつの話を聞いてからだ。この悪夢を見るようになったのは」


 頭を抱えて手元のスマホを見ると、熱中症の注意喚起のニュースが表示されていた。

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