第5話 マスターが軽く手直したレポート

 早朝に冒険者三十六名が集合。テレジアとシンが参加。どちらも後方支援を担った。一時間の打ち合わせを行い、地下水道に入る。歩く道が両端にあり、真ん中に水が通っている。光を使わないと見えないほどの暗さだ。


 テレジアは治療と浄化を行った。魔物の影響で穢れている地点があったためだという報告を受けた。規模は大きくないため、数分程度で終わった。


 シンは魔法で魔物を攻撃した。簡単な攻撃魔法一発で倒した回数が多い。その他に魔物が出没する魔法陣を発見し、その魔法陣を消去した。形跡から魔法使いが作成したものだと考察している。


 魔物で水中から出てくるタイプは魚に近い四足歩行の生き物だ。火の魔法で瞬殺できるほどの弱さ。空を飛ぶ黒い蝙蝠に似た魔物は口から泥を吐く。毒も微量に含まれているため、何人かはそれで一時的に前線から離脱した。地上に落とせば問題ない。歩道で移動する犬ぐらいの大きさの臭い匂いのネズミのような魔物が一番厄介だった。丸くなり、ぐるぐると突進してくる。反動で固い尻尾を使う。唾から腐臭が出てきた。爪で引っかかれただけで、動きづらくなる。魔法で狙おうとしても、常に動くため、中々狙いが定まらない。シンが広範囲の魔法「雷神の檻」を使用し、動きを止めて、他の者が倒した。


 作戦開始から五時間で全ての地下水道の魔物を討伐完了した。何度も負傷者が出てきたが、テレジアが治療したお陰で死亡者はいない。王都の住民は安心して暮らせるが、魔法陣を作成したと思われる魔法使いを見つけていないため、騎士団たちは調査を開始するという。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る