気持の短編小説

軟体動物

第1話 辛い話

 「次は~、山丘~山丘~」

 夕陽を列車は追いかける。今、私がどこへ行きたいとか関係無しに列車は夕陽を追いかけている。何をしているのだろう。と自分でも思う。私は何で生きているのだろうか。

 突然だが、こう思うことには理由がある。

 そう、私は苛めを受けている。自分でも苛められている理由は考えてみた。何も思いつかなかった。あいつらは何をしたいのだろう。兎に角、今まで無気力なまま過ごしてきた。何で、どうして。私に生きている価値は在るのだろうか、いっそのこと死んでしまってもいいのではないか。

 遺書に苛められていた事を書いたら、苛めていた人たちの将来をつぶすことぐらいなら出来るのでは無いか。そうだ。それでいい。私にはそれしかできない。復習でもしないと家族がいたたまれない。

 辛さや憎しみが混じった気持ちが最高点に達した時を見計らったように列車は雪の舞う駅にふわりと飛び降りるように着く。雪の積もる駅に誘われたようにふらりと降りた私は、ふと改札を降りた所にあるラーメン屋に目を向けた。冥土への土産にラーメンか、良いかもしれない。

 店に入ると温容な顔つきをした店主が、

 「おう、いらっしゃい。何を食べるかい?」

 と、話しかけてくれた。

 メニューはよくわからかったが、とりあえずあるだろうと思って、

 「ラーメン1つ。学割で。」

と、注文した。

 「了解!」

少し待つと、

 「へい、お待ち!」

と、ラーメンが来た。

 暑いラーメンをすする事だけに集中する。ラーメンを食べると心と体が温まってさっきまでの辛い気持ちがなくなるように溶けていった。

「ありがとう。」

 と小さい声で呟き店を後にする。少しだけ未練が残ったので振り返ると、店主は言いたい事は分かっているとでも言いたげな顔をして、グットサインをくれた。


 そして、私は歩いて行った。朝陽に向かって。



あとがきのようなもの

この短編を読んでいただき有難うございました!この小説は作者がつらくて仕方がなかった時に途中まで書いて、少し編集した上でハッピーエンドにした短編です。

最初に書いたときはスーパーバッドエンドでしたw

これからは自分の気分が乗った時に更新していくのでよろしくお願いします。ギリギリ1000文字いかなかったですねw

本当に有難うございました。

戦闘機オタクの軟体動物でした。それではまた~

~ちなみに、この小説に出てくる人物、駅などは全てフィクションなので安心してもください(どう安心するのかな~)。~

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気持の短編小説 軟体動物 @lightning35

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