25年前からリスタート!の精神は41歳、身体は15歳の音楽人生?と恋?
- ★★★ Excellent!!!
この小説を初めて読んだ時、大昔に読んだ筒井康隆の「時をかける少女」を突然思い出した。(何回もリメイクされてるみたいだがそっちは知らん。最初のやつね)
あの話の内容はともかく、当時中学生だった自分は「不思議な日常と非日常のはざまに有無を言わさず放り込まれた学生」というそのシチュエーションに大層衝撃を受けた。
この小説の主人公は初恋の相手につくし続けて才能も身体も利用された?挙句捨てられた中年オッサン(ゴメン…)だが、戻った過去?世界ではビックリしながらも高校一年生からリスタートしようとする。
25年前の世界と当時持っていた自分のピカピカのポテンシャル。それに上乗せされる41歳の経験値…、愛していた女の若い姿にも複雑な思いを抱く。
まあ読んでみれば分かるのだが、ぐいぐい引き込まれた。
いやぁ、恋愛タグでこんな小説が載るとはカクヨムって凄いねぇ。
話の流れでクラシック音楽が重要なスパイスになっているので、読者コメントを見ると自分と同じく出て来た楽曲を聴くほど沼った人達も多いw
主人公の後ろ向きなオッサン精神にイライラする部分もあるけど、周りの人達も個性的かつ自分を高めようと前向きに必死してる若人だから一緒に巻き込まれていくのも面白い。
主人公が開き直ってヴァイオリンを披露する流れではカタルシスを感じるね。
作者はかなり音楽の表現も上手い。読んでて引き込まれる。映像が沸いてくる。
このまま完結までペースを落とさず行っって欲しい。
久々にいい年して毎日更新を追いかける羽目になってますわw
書籍化して欲しい(ボソッ…)