アストレイヤ様も、なかなかの力技をかまして来たわねー?
アストレイヤ様&ライカと、シエロたんこと蒼、そしてネロたんことあたしの四人でぶちゃけ家族会議! を開催して、なんだかちょっぴりスッキリした気分の翌日。
朝起きたら、見知らぬ使用人が増えていた。
「どちら様でしょうか?
そう聞くと・・・
「わたくしは、本日よりネロ様にお仕えすることになりました。宜しくお願い致します」
ナイスミドルなおじ様執事さんがにこやかに、
「そして、ネロ様とネレイシア様のお二方は、本日よりアストレイヤ様の養子となりました」
なんぞ衝撃的なことを言いよったっ!?
「・・・え?」
「お二方の教育を怠っていた側妃様よりお二方の親権を取り上げ、ご自分が養育するとのことでございます」
「マジかっ!?」
「ええ。本日より、お二方はアストレイヤ様のお子。ライカ殿下の弟君と妹君であらせられます」
なんてこったいっ!?
あの女がなにかやらかしたり、これ以上にネロたんの王子としての立場が悪くなったりしたら……もしかしたら、アストレイヤ様に親権が移されることになるかもしれない、という想定はしていたけど。
昨日の今日でこの展開は早過ぎでしょっ!?
・・・一体、どんな裏技を使ったのかしら?
「お母君の処遇に付いてですが……お聞きになられますか?」
気遣わしげに問う執事さん。
ふむ……処遇、というくらいなのだから、なんらかの処罰でも科されたと考えるべきか。奴のやらかした諸々の事を考えると、当然のことだけどね!
「はい。お願いします」
「お母君は、ネロ様とネレイシア様が王族として在るための教育を怠りました。しかし、アストレイヤ様は側妃様が
にゃるほどねー? ネロたんの秘密……ネロたんとネリーちゃんが同一人物であること。本物のネリーちゃんが既に亡くなっていることを、「お前を病気ということにして罪に問わないでやるから、黙ってネロとネレイシアの親権を手放せ」という風に脅したのかなんなのか……あんまり深くは追及しないでおくけど。
おそらくはその辺りの事情を盾に、「バラされたくなければ……」と、ネロたんとネリーちゃんの親権を奪取……う~ん? もしくは、保護? という形で取り上げ、ヒス女をどこぞに幽閉するってとこかしら?
ついでに、あの女の実家に釘を刺しつつ、ネロたんとネリーちゃんをあちら側と距離を置かせる、という感じかな?
アストレイヤ様も、なかなかの力技をかまして来たわねー?
少~し動き難くなったとは思うけど。ま、あのクソアマのことで煩わされる時間が、別のこと充てられるのはいいことだわ。
問題は――――
「ふむ……来たか。思ったより早かったな? それで、お前はどちらだ?」
アストレイヤ様の私室へ呼び出され、人払いがされるなりその言葉。
「おはようございます、アストレイヤ様」
にっこりと笑顔で挨拶をしておく。
「ネロと呼べばいいのか? それとも、ネレイシアか?」
今の格好は、ネロたんだ。
だってねー? 幾らあたしが腐女子とは言え、ヒラヒラフリフリな女児用のネグリジェをパジャマにするのは居たたまれない。というワケで、寝るときにはシンプルなパジャマで寝てるワケですよ。
ンで、起き抜けにアストレイヤ様の
「そうですね……基本的には、男の子の格好をしているときにはネロ。女の子の格好をしているときには、ネレイシアと呼んでください」
「それでは、今までと変わらん。わたしは、お前がどちらなのかと聞いている。本当の性別はどちらだ?」
見定めようとするようなアストレイヤ様の視線が注がれる。
「? 名前という意味でしたら、わたしはネロの方です。乳児の頃に亡くなった、と聞いているのはネレイシアの方ですので。わたしの身体の性別という意味でしたら、男ですよ。ネレイシアのことで、母を幽閉するのでは?」
「幽閉ではない。静養、だ。今のところはな? しかし、君は本当に男か?」
まじまじとあたしを見やるアストレイヤ様。
「はい。なぜ、今更性別の確認を? わたしが……ネレイシアが、ネロだと知っていたのではありませんか?」
「ああ。ネレイシア王女の遺体は、確認した」
ネリーちゃんの遺体確認……か。
「だが、そもそもの出生届が
出生届の改竄……?
「ああ……もしかして、実は
もしも、ネロたんもネリーちゃんも二人して女の子だった場合、シエロたんのお母さんに負けた! なんて思って、どちらかを男児として届ける……的な? まぁ、ヒス女なら如何にもやりそうな手口ではある。
とは言え、ネロたんはちゃ~んと男の子なんだけどね? 逆を言えば、もし亡くなっていたのがネロたんの方だった場合、ネリーちゃんがネロたんの代わりとされていたことは想像に難くない。
「ああ。もしお前達が一卵性の双子であった場合、どちらがどちらかであったかは、関係者も判別が付き難いだろう」
ま、乳児で同性。
「それに、それくらいお前のネレイシアが自然だったということだ。女児にしか見えないくらいに、な?」
「お誉めに
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