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お店を出る前にトイレに入りお化粧を少し直した。

最後に鏡の中の私の唇にリップを塗っていく。

ヌーディーリップのローズベージュのカラーのリップを。




それだけで鏡の中の私は一段と輝いたのが自分でもよく分かる。

この色は私にとってとても似合う色だった。

流行りのメイクよりも自分に合う物が自分を1番輝かせる。




その事実を今日も確認し、私は泣きそうな顔をしている“結子”に笑ってあげた。




「私は永家結子。

永家財閥の本家の長女。

あの家に生まれ落ちたのだから仕方ないでしょ。」




永家結子は綺麗で可愛く笑えていた。

若い頃のお母さんによく似た姿で、永家結子はとても綺麗に可愛い顔で笑えている。




「身体でも何でも使って、あの人を離してはいけない。」




永家結子の強く力が入った目を見詰め、私は永家結子にそう言った。

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