有閑者の新文字体系
ラテン文字を用いる言語のように、発音を表記する際に様々な工夫が凝らされた。しかし、私個人として、頻繁に使用する発音は単一の文字で表せるようにしたい。その一方で、発音に重複が出る文字は必要ないとも思っている。ラテン文字で[k]と発音する文字にC、K、Qがあるのは実に効率が悪い。また、Xのような複合音を示す文字も必要ないと私は思っている。
しかし、国際音声記号のように、全ての発音を厳正に表記するほどの精緻さは求めない。使用する文字が無駄に多くなるからである。
そこで、私が暇を持て余したときに、これら諸問題を解決できるような文字体系ができるのではないかと思索し、創作した。以下がその文字である。
大文字:ABGDEЖZHΘIJKLMNOΠPSTUVYFXCQWRΩ
小文字:aʙɢᴅeжzʜɵıᴊᴋʟᴍɴoпᴘsᴛuvʏxcчwʀω
文字の種類はアルファベットとした。また、語順はギリシャ文字とキリル文字を参考にした。この文字体系を何の牆壁なく活用できるのは母音と子音が対等な関係性を保ち、音の高低によって言葉の意味が左右されないインド・ヨーロッパ語族やウラル語族などといった諸言語である。
勿論、私はこの文字体系を活用して、人工言語を作ろうとも思っているが、完成はされていない。
この文字体系で拘ったことは主に3点ある。ラテン文字、ギリシャ文字又はキリル文字の単音字で表すことのできる発音を極力個別の文字にすること。ラテン文字で使用される文字を全て流用すること。そして、同一の発音をする文字を複数作らないこと。当初は30種以上の文字があったが、文字の多さや使用頻度を加味したときに、泣く泣く除いた発音もある。それぞれの文字が何の発音を表しているのか、またどんな発音を厳選したのかを次章以降に解説する。
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