ジャンルのお話

カクヨムの小説ジャンル。

皆さんどういう定義で捉えているでしょうか。

というか、結構微妙なジャンルもありますよね、というわけで……とりあえず私の捉え方を書いてみることに。


●異世界ファンタジー

 基本的に地球を含む三次元世界以外の世界を舞台としているお話。

 設定上の自由度はおそらくぶっちぎり。

 神様がいようが超存在がいようが魔法があろうが何でもあり。

 それだけに、下手な設定にするととても陳腐になり果てかねないですが。

 なお、『なーろっぱ』などを揶揄されるものはほぼこれだと思われます。

 あまりの自由度ゆえに、共通認識のテンプレートが出来たのは仕方ないところかもしれません。

 昔はファンタジーといえばこれが定番でした。

 世界観が凄まじく自由なので、欧州風以外に中華風や和風などもあります。

 有名どころでは『ロードス島戦記』『スレイヤーズ!』『風の大陸』『十二国記』等。

 最近だと『転生したらスライムだった件』『異世界はスマートフォンとともに』等。


●現代ファンタジー

 基本的に地球(それも現代からせいぜい数十年程度未来か過去)を舞台としたお話。

 ただし、現代にはない法則が存在します。

 魔法だったり超古代文明だったり。

 カクヨムだといわゆる『ダンジョンモノ』がこれに該当しますね。

 というか現代ファンタジーの多くはダンジョンモノですが。

 現代の延長で説明がつけられるので社会制度の説明は異世界より楽ですが、逆に現代の常識がどこまで適用できるか考えないと、やはり整合性はとれなくなります。

 というかそこ適当にされると私は評価下げる。それで読むの辞めたのもあるし。

 有名どころでは『ハリーポッター』『レンタルマギカ』等。妖怪モノなども含まれます。漫画だと、『聖闘士星矢』とかはこれに該当するでしょうね。

 ゲームですがFate/Stay Nightなども典型でしょう。


●SF

 Science Fictionの略語……知らない人いないよね?

 なお、お約束で子供の頃はSpace Fantasyだと思ってました(笑)

 科学的な根拠をある程度ベースに置く作り話という意味合いですが、転じて現代より未来の話(当然科学技術がそれなりに進歩している)などもSFとして扱われます。

 微妙に定義が曖昧ですが、カクヨム上では現代より進んだ科学技術がある場合はSFと扱う人が多いようです。ちなみに前に分析しましたが、SFのランキング上位は大半がVRMMOをネタにしてます。

 いや、まあ確かに触覚を含めた全感覚をゲーム内に没入させるフルダイブ式とよく定義されるあれは未来技術ですが……多分半世紀くらいで実現はされる気が。

 世間一般的には、SFという場合は宇宙空間やかなり未来を舞台にした話でしょう。

 有名どころでは『ガンダム』『宇宙戦艦ヤマト』『銀河英雄伝説』等。

 いわゆる『ロボットモノ』はほぼこのジャンルでしょう。


●ラブコメ

 広義の意味では現代ドラマに含まれることも多いですが、最近では舞台を架空の世界にするケースもあるので、その場合は異世界ファンタジーの亜流ともいえるでしょう。

 基本的に男性主人公がメインで、女性キャラとの恋愛を描く話。

 ただ、ラブ・コメディの略語であることから分かるように、どちらかというと重い話ではなく、コメディタッチに書くのが基本……のはずですが。

 なお、男性主人公一人に対して、ヒロイン相当の女性キャラが複数設定されるのも典型的なパターンだと思います。全部がそうとは限りませんが。

 男女間の恋愛を描くわけですが、メインキャラが高校生以下であることが多い印象ですね。スクールラブ、などと称されることもあったような。

 ただ、カクヨム上での定義が『恋愛』ジャンルがあるせいでひどく曖昧です。この辺りは『小説家になろう』の方がまだ分かりやすい。あっちは『恋愛』一つだから。

 定義があまりに不明確なので、正直カクヨムも一つにまとめてほしいところ。

 有名どころでは『冴えないヒロインの作り方』『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』などでしょうか。このジャンルはある意味ここ四半世紀くらいで増えてきた……わけではないのでしょうが、私の目にも入るくらい目立つようになってきたジャンルな気はします。


●恋愛

 名の通り恋愛主体……なのですが。

 ぶっちゃけ、カクヨムでの定義があいまい過ぎて微妙。

 カクヨムコンの定義だと、男性主人公=ラブコメ、女性主人公=恋愛らしいですが、ラブコメは名の通り『コメディ』要素がないと微妙じゃないかという気はしてしまう。

 なのでいまだに『白雪姫の家族』のジャンルは悩んでいるんですよね。

 正直、壮絶に曖昧なジャンルです。

 イメージ的にはラブコメがコメディ要素があることを主軸にしてるのに対して、このジャンルはより現代ドラマに近い感じでしょうか。

 主人公が女性であることも多いようですが、それだけとは多分限らないでしょうし、あとはより高い年齢の、いわゆる『大人の恋愛』的なものは多分こっち。

 逆に、年齢層が上がるがゆえに浮気やら不倫やらといったドロドロしたものも多分こっちでしょう。でも高年齢でもラブコメに分類されることもあるだろうし、やっぱ一つにしてほしいくらい。このジャンル分けだけは『小説家になろう』の方が納得がいきます。

 あっちはサブジャンルで舞台が現代か異世界か、というのがありますが、それも分かりやすい分類ですし。

 有名どころでは……ちょっとパッと出てこない。『私の幸せな結婚』などでしょうか。あれはファンタジー要素強いけど。


●現代ドラマ

 基本的に不思議要素なし、現代で『あり得るかもしれない』設定で行うお話。

 この場合、数年ならともかく数十年未来もあまりないかと思います。

 少なくとも物理的にあり得ない話は起きないお話ですね。

 広義の意味ではミステリーやラブコメ、恋愛はこちらに含まれますが、あくまで謎解きや恋物語ではなく、登場人物の物語を描くのが基本でしょう。

 世界観の説明は(登場人物の説明以外は)ほぼ不要なので、最も敷居が低く始められるジャンルではあると思います。

 それと、カクヨムではあまり多くありませんが、スポーツ物はジャンル分類するならこれに該当すると思います。

 有名どころでは……あ、やべ。私ほとんどこういうの読んでない(ぉぃ

 漫画だとスポーツ物がたくさんあるんですが小説って……あまりない?

 ある種壮絶に間違ってるかもですが『坊ちゃん』とかは一応該当する……よね?(ぉ


●ホラー

 ある意味非常にわかりやすいジャンルの一つ。

 ネット上の創作が登場する前から確立されたジャンルですしね。

 お化けが出てきたりするお話や、あるいは単純な恐怖を感じさせるお話。

 神秘が実在するパターンとそうではないパターンがあります。

 ハッピーエンドとも限らず、デッドエンドも珍しくないでしょう。

 妖怪モノはこちらになることもあるでしょう。

 広義の意味では現代ドラマ的なことも。

 怪談話などもこれに該当します。

 文章で『恐怖』を演出できる人はすごいと思う。

 有名どころではそれこそ『遠野妖怪物語』『学校の怪談』『リング』『屍鬼』等。

 映画化された作品も多いですし、ホラー映画も常に一定の需要ありますよね。

 私は怖いのは得意ではないので行きませんが……(笑)

 京極夏彦の作品はホラーミステリーと称されてますね。


●ミステリー

 現代ドラマの中でも、不可思議な事件を紐解くことにスポットを当てたお話。

 ホラー小説と並んで、ジャンルとしては本当に昔からある作品。 必ず不可思議な事件・現象とそれを解き明かす存在がセットです。

 これについては説明不要でしょうが、同時に書くのは大変だと思います。

 書ける人マジですごい。

 やはり常に一定の人気を誇り、単純な一般認知度でいえばおそらく他のジャンルを圧倒すると思われます。

 なんせ高齢者でも『ミステリー小説といえばどんなもの?』というのを答えられない人はほとんどいないでしょう。

 一方で、素人が書くには非常に難しい話でもあるので、ネットでこのジャンルで大ヒットした例はほとんど聞いたことがありません。

 もっともこれは、ネットという発表形態とミステリー小説はどうしても相性が悪いというのもあるかと思います。

 有名どころでは『シャーロックホームズシリーズ』『名探偵ポワロシリーズ』等々。

 日本でも『少年探偵団』といった古典から、西村京太郎の『点と線』や森博嗣の『すべてがFになる』、東野圭吾の『ガリレオシリーズ』など、非常にたくさん。


●エッセイ・ノンフィクション

 これは説明不要でしょう。

 日記や思ったことなど。雑談などは基本こちらでしょう。

 ノンフィクションは本来は事実をもとにした小説(お話)なのですが、実際にあった事件・事実等に対する論評などもこちらに含まれることが多い気がします。


●歴史・時代・伝奇

 歴史的な事実、実在の過去の事件、あるいは実際に存在する昔話などをベースにしている作品。

 カクヨムの場合は、過去へのタイムスリップなどもこちらに含まれているようです。事実上のif話。そういう意味ではファンタジーかもですが……異世界でも現代でもないですしね。

 歴史小説とするなら司馬遼太郎の小説などが有名どころでしょう。

 あとは、いわゆる偉人伝などもこちらか。

 神話の話などもここかな。

 ……そういえば、神話の話を物語風に仕上げたら、需要あったりするのかな。

 あれは著作権フリーですよねぇ(ぉ

 無論そういう本の丸写しは論外ですが。


●創作論・評論

 実はエッセイ・ノンフィクションとの境界が微妙じゃないかという気がするジャンル。

 創作論はともかく、評論は『実際の事件』に関する論評の場合はノンフィクションに分類される気がします。書評とかならともかく。

 そのあたりどうなんだろ。

 まあ、カクヨムだと圧倒的に『創作論』の方が多いでしょうけどね。

 創作論はほんとにたくさんありますが……。うん、結局自分なりの方法見つけるしかないんだと思う。

 というか、本気で小説家になる!とか思ってる人は、カクヨムとかで投稿してるんじゃなくて、作家の誰かにに弟子入りするとかを考えましょう。

 将棋や囲碁だって、自力で勉強し続けたってほとんどプロにはなれっこない。

 達人の指導があって初めてなれるのです。

 ごくまれにいる天才が自分だ、という自負があるなら別ですが。


●詩・童話・その他

 要は上記に含まれないもの全部こっち。

 もっとも、童話は……場合によっては他のジャンルになりそうですが、まあそれはそれ。

 この『詩』というジャンルは少なくとも『小説家になろう』では存在しませんがね。あっちは最低投稿文字数の制約があるけど、それをクリアできないことが多い詩は投稿できないから。


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