【おきのどくですが、転生先はランダムです☆】女神が無能なせいでいきなりラストダンジョンに転生したんだが?~周囲の魔物を全部倒したら一気にレベル9999になったので異世界チートテンプレを謳歌します~

月ノみんと@世界樹1巻発売中

第1話 転生


「ごめん。間違って殺しちゃった♡」

「はぁ」


 気がついたら真っ白な空間に立っていて、目の前には女神がいた。

 てか適当だな、オイ。

 人の命をなんだと思ってやがりますかこのクソ女神様は。

 まあ、30歳童貞引きニートが一人死んだくらいでなんだと言われればそれまでだが。


「おい誰がクソ女神だコラ! 全部きこえてんだよ!」

「お、マジか……」


 さすがは神様って感じだ。

 てか口悪ぃな……。


「え、じゃあさっきの『うわ……この女神様マジでおっぱいデカすぎんだろ……お詫びに揉ませてくれねぇかな……』っていうのもきこえてたん……!?」

「いやそんなこと考えてたのかよ!? 死んだばっかなのに元気だなぁオイ!!」

「あ、やっぱ俺死んだんか……」


 改めて、自分の状況を理解する。

 毎日ゲーム三昧、引きこもって自堕落な生活を送っていた。

 珍しく深夜のコンビニにふらっと行ったらコレだ。


「さっきからそう言ってるでしょう。っていうわけで改めて――」


 女神は俺のほうを向き、真剣な顔で言った。


「――茅場刀祢かやばとうやさん。あなたは死んでしまいました。残念ですね?」

「いやお前のせいだろ……他人事だな」

「……うぉほん。わ、私は転生の女神アリステラ。気軽にアリスちゃんって呼んでね?」

「いや、呼ばんけど……」


 アリステラの話によると、どうやら俺が死んだのは手違いらしい。

 今日コンビニに、一台のトラックが突っ込んだ。

 そこまでは予定通り。

 だがそこにたまたま、俺が巻き込まれたという。

 本来なら予期せぬ被害者が出ないように、女神が阻止するのが役目だそうだ。


「いやぁそれにしても間抜けな死にざまよね~」

「はぁ……?」

「まさか中学生でもあるまいし、今どき漫画雑誌のグラビアに見とれていて巻き込まれるなんてね!」

「うるせぇ……こちとらデート経験すらない引きこもりなんだ。文句あるか!」


 アリステラは女神にあるまじき嘲笑を俺に向ける。

 ってか、その話じゃおかしくないか?

 今日死ぬ予定じゃない人が巻き込まれないように、見張ってるのが女神の役目だってきいたけど……。


「ああ、ごめんごめん。あまりにあなたの姿が間抜けすぎて、助けるのが遅れちゃった。てへ☆」

「てっめぇええええ! やっぱお前のせいじゃねえか!」


 間違えて殺しちゃったってそういう意味かよ!

 たんなる職務放棄じゃねえか!

 マジでこの女神適当すぎんだろ……ほんとに女神か?


「む? 私を疑うっていうの?」

「そういうわけじゃねぇが……。正直怒りとか驚きを通りこしてドン引きだわ」

「まあまあ、そう言わずに。案外これも、あなたにとってはいい機会かもよ?」

「はぁ……?」

「私にも同情心の一欠けらの十分の一くらいはあるわ!」

「少ねぇ……」

「お詫びに――」

「――おっぱい揉ませてくれんのか……!?」

「んなわけないでしょうが!!!! あんたさっきからそればっかりだな……!?」


 くそ……ダメか。

 女神のおっぱいは天界級なのか現世ではお目にかかったことないくらい大きいのに……。


「いやそんなデカくねえわ!」

「デカくなくてもいいが?」

「うるさい!」

「っち……じゃあ、お詫びってなにをくれるっていうんだよ?」


 正直、死んでしまった今となっては、なにをもらってもって感じだ。

 最後にせめて女の子のおっぱいの感触くらいは知りたかった……というのだけが唯一の心残り。


「ふっふっふ、女の子どころか、もっといいものよ?」

「えぇ……!? マジ!? 男の娘!?」

「なんでそうなる……!? 転生よ! て・ん・せ・い!!!!」

「え……てんせい……って、ま、まさか!? 異世界転生か……!?」

「そう! お詫びにもう一度、人生をやり直させてあげる!」


 ふおおおおおおおおおおお!!!!

 異世界転生キタコレ!!!!

 クソみてぇな女神だと思ってたけどやるじゃねえか!

 ってことは、異世界で今度こそ女の子と……!?


「ま、それはあなた次第だけどね。とにかく、異世界転生させてあげます。……ってかクソ女神いうな!」

「おっしゃああ! ありがてえ! ってまてよお詫びだろ、なんで上から目線なんだよ」

「ああ、ごめんごめん。じゃあついでに、便利なチート能力も授けてあげる」

「おお! それなら許す! マジで感謝だぜ!」


 やっぱ異世界転生といえば、チート能力だよなぁ。

 これさえあれば、虐められてずっと引きこもってた俺でも、モテモテハーレムが築けるに違いない!

 どうやらついでに顔つきも多少イケメンにしてくれるらしいし、歳も若返らせてくれるみたいだ。

 細かく注文をつけ、元の面影を残したままで異世界でも違和感ない感じの顔にしてもらった。


 ――そんなこんなで、俺は女神からこれでもかというほどたくさんのチート能力を受け取った。



==============

・言語理解

・無限アイテムボックス

・万能鑑定

・空間転移

暴食スキル奪取

・なんでもスマホ

・身体能力向上

・Lvアップ時ステータス増加

・会得経験値増加500倍

・初期ステータス1000倍

・全属性魔法適正

・魔法威力感度3000倍

・女神と念話

etc...

==============



「じゃあこれで転生させるけど、いいわよね?」

「ああ、うん。たぶん大丈夫だ」


 いざとなれば、いつでも脳内でアリステラと会話もできる。

 他にもこれだけのチート能力があれば、まず序盤の街で困ることはないだろう。

 アリステラは再度俺に向き直ると、やわらかい笑みを浮かべてこう言った。


「では茅場刀祢かやばとうやさん。この度は本当に申し訳ありませんでした。あなたの新しい人生に、大いなる祝福があらんことを――いってらっしゃい、トウヤ」


 最後くらいは、ようやく女神らしいこと言ってくれるじゃねぇか……。

 思わず、俺はその綺麗な顔に見とれてしまう。

 直後、不思議な光が俺を包み込み――。


 ――異世界に転生した。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




「…………ん。ここは……?」


 おそるおそる、目を開ける。

 さっきのが俺の妄想じゃなければ、ここは異世界なはずだ。

 真っ先に目に入ったのは、超巨大なモンスターだった。

 これって……ドラゴン……!?


「は…………?」


 ちょっと待て、普通転生してすぐに目を覚ます場所っていったら、なにもない草原とか、街の中とか……そういう場所なんじゃねえのか……?

 どこ…………ここ。


 驚いて、後ろに下がる。

 あくまで、音を立てないよう、ゆっくりとだ。

 すると――。


 ――ドン。

 後ろにも巨人型のモンスター。

 身体が大きすぎて、俺の存在になど気づいていないようすだ。


 ……っていうか……あたりを見渡すと……。

 そこら中にモンスター、モンスター、モンスター。

 しかも、スライムやゴブリンなんて生易しいもんじゃない。

 どいつもこいつも、RPGなんかじゃラスダンでしか出てこないような、超強そうな見た目をしていやがる。

 まさに、神獣級のモンスターたちだった。


『な、なんじゃこりゃあああああああああああああああ!!!!?!?!??!(心の声)』


 大きな声でモンスターに気づかれたらヤバいから、今のはなんとか心の声に抑えた。

 ってかやっぱクソ女神じゃねえか……!!!!


 そのときだった――さっそく俺の脳内にアリステラの声が響き渡る。


『ごっめーん、最初の出現位置はランダムなの☆ ゆるちて♡』

『誰が許すかあああああああああ!!!!』


 転生してすぐ即死とか、嫌すぎる。

 俺の異世界生活は、そんな波乱万丈な幕開けだった――。





==================

【あとがき】


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