重大発表配信(1)


「重大発表ですわーーー!!!!」


[俺氏0436]:”お? どうしたお嬢。宝くじでも当たった?”

[じょあ坊]:”いやここはアレだな。新衣装?”

[くさしげ煉牙]:”歌ってみた動画発表ですかねえ?”


 カロナの突然の配信に、常連のカロナイト達がコメントを返す。

 コクヨウに頼んで配信のサムネも黒地に白で『重大発表』と書いてある奴だった。


「私、一度こういう重大発表配信してみたかったんですわよね!」


[胡蝶蘭]:”重大発表してみたかったのが重大発表?”

[@tam323]:”つまり……実際は何もない、ってコト?”


「いやいやいや! あるんですわよ重大発表!」


 慌てて否定するカロナ。


[@FE_Sofiya]:”じゃあお嬢が重大発表できるかどうかを決めるゲームをだな”

[まりもヨウカン]:”普通に発表しないのが恒例なところあるよねこういうの”

[葉生]:”確かに”

[オウカシュウ]:”レトロゲームアーカイブので視聴者対戦3連勝したら発表とか?”

[秋猫]:”あー、あるある。そういうの親の顔より見た”

[幻龍斎]:”もっと親の顔みて”


「ちょっと! 実際に発表する私を置いてけぼりですわよ皆様!?」


 話が脱線しそうになったので、カロナは仕方なく……仕方なく? ゲームを選ぶことにした。気にせず勝手に発表してしまえばよかったのだが、カロナだってこういう『重大発表』は最低30分は引っ張るものだと知っている。


 そして選んだのは落ちモノパズルゲームの定番、ぷにょぷにょ。そのシリーズの名作と名高いぷにょぷにょだった。4つのぷにょぷにょした玉をくっ付けると消えて、相手におじゃまぷにょを送り付けたりできる。


「何を隠そうこの私、ぷにょぷにょは得意ですの! 3連鎖ができるのですわ!」


[@beruki]:”お、おう。すごいね!”

[@smallwind]:”じゃ、じゃあ視聴者に2連勝したら発表でいいんじゃないかな?”

[Jack@]:”すごいね! 俺もできるよ3連鎖!”


「なんですの? 急に皆様お優しく……?」


 と、ここでカロナの後ろにそっとコクヨウが現れた。


「お嬢様。ここは30分経っても条件達成できなかったら私がお嬢様の代わりにプレイするというのはどうでしょう?」


[@huhum]:”そ れ だ!”

[松本大地]:”AI的にこういう数学パズルは得意なはず……これで安心だな……”


「なんですの皆様。私の事バカにしてっ! こうなったらストーリーモードをクリアするまで発表しませんわっ!!!」


[俺氏0436]:”あっ”

[@tam323]:”あーあ……”

[くさしげ煉牙]:”やってしまわれましたわ……”

[じょあ坊]:”せめてコンティニューありでお願いします”


「……ちくしょう、夕方のタイムセールまでには発表してやりますわ! 見てなさい、行きますわよ皆様方ーーー!!!」


 こうしてクリア耐久が始まり、しかしクリアできなかったのでカロナの重大発表は行われず持ち越された。



 この手の重大発表チャレンジ配信で本当に発表しないことあるんだ、とか言われて次回配信の視聴予約が少し増えた。


―――――――――――――――――――――――――――

(以下お知らせ)

 皆様、ありがとうございますわー!

 そして地味にお待たせして申し訳ありませんわね……ッ!


 代わりといってはなんですが、

 3/25に「絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで」のコミカライズ10巻が発売で、特典情報がこっちら!

 http://blog.over-lap.co.jp/gardo_20230315_03-7/


 そして4/22に「あとはご自由にどうぞ! ~チュートリアルで神様がラスボス倒しちゃったので、私は好き放題生きていく~」(略称:あとごじ)の2巻が発売ですわー!

 フォロー&RPキャンペーン開催してましてよ!

  https://twitter.com/gcnovels/status/1770027434001191283


 ……ちなみにあとごじ専用のXアカウントは、凍り付いたまま解凍されることはありませんでしたわ! (;ω; )ウッ…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る