死ぬとゆうこと【カクヨムコン応募中】

三愛紫月

第1話 その声が現実を……。

静かな時間が流れていく……。



そんな静寂を打ち破る声が、耳を貫く。



「ああーー。昴、昴。あああーー」



その声に、何も感じていなかった俺の視界がみるみると歪んでいくのがわかる。



あーー。



本当に……。



昴は、死んだんだな……。



昴のひつぎにすがり付いて泣いている昴の母親を見つめながら思っていた。



「母さん、もう時間だから……」



俺は、昴の母親を立たせる。



「ごめんね。かんちゃん」

「ううん」

「房子、大丈夫か?」

「はい」



俺は、昴の棺を持つ。


母親と父親は、棺の前を歩いて行く。


昴が死んだのは、俺のせいだ。


それをわかっているから、俺はずっと泣けなかった。



あれは、五日前の夜の出来事……。



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