私の風俗人生。

kasiramoji_R_chan

第1話〜始まりの予感〜






「なぁ〜ハプニングバー行ってみよ。」



心の底から思った。

「なにそれ?」



「いや、なんか〜男女が混ざって酒飲んで

乱交するところらしい。」



・・・この男は何を言っているんだ。



なぜ、こいつがこんな普通の顔して私にそんなことを言うのか

それはとても簡単な事で私の学生時代がいわゆる

『ヤリマン』

と言うことを知っているからである。

以下この男の事をA男と呼ぶ。




そして、そんな怪しい所に行きたくない私は

「怖いじゃん嫌だよ、せっかく沖縄まで来たのに

そんな所行きたくない。」と断った。




そう私達は今、友達の結婚式で沖縄に来ている最中だ。

そんな楽しい行事の途中にそんなことを言う

このA男の横暴さはいつもの事。

そして、どんなに嫌がっても行かなきゃいけない事も分かってた。



「ハプニングしなくても良いから!」


A男は訳の分からない日本語を並べ少しキレ気味に説得してくる。



私もせっかくの旅行で空気が悪くなるのを恐れ

これ以上の反抗はやめて、店に電話をさせ、住所を聞きハプニングバーとやらに向かう事にした。




第一に店のホームページに住所が載ってない時点で

怪しすぎる、、それに完全予約制って、、


そんな事を思いながら

車を50分ほど走らせ言われた場所に車を止め

誰もいなさそうな真っ暗な階段を登り

真っ暗なドアの前についた。




ピンポーン



チャイムを鳴らすとインターホン越しに返事が聞こえた。

予約した事を伝えるとドアが開き小太りの女性

こういう場のいわゆる「ママ」が出てきた。




私達はもう一度「さっき電話したものです」

と伝えると観光客かを聞かれ、店の中に案内された。

外観からは想像もできないくらい店内は普通のバーだった。

違うとすれば周りの視線。

カウンターやテーブルに座っている全員からの

注目を浴びながら4人がけのテーブルに案内された。

ソファーに座るとママから飲み物を聞かれる。

とりあえず早くお酒が飲みたかった。

通常の神経でこんなところにいられる気がしない。




怖すぎる。




ビクビクしながらも周りを見渡すと

年齢層の高いおじさんおばさんばかりで

お世辞でも紳士やダンディーとは言えない人ばかり。



来なければよかった。



そして、さっきまでの勢いは何処に行ったのか

隣にいるA男も流石に緊張しているようだ。

話しかけてもくれないなんて情けない奴



二人して飲み物と睨めっこをしていると

今来たであろうカップルをママが私達のテーブルに連れてきてくれた。

「こんちは〜」

軽々しい挨拶に拍子抜けし、顔をあげるとびっくり。

そこにイケメンがいたから。

彼女らしき人も可愛いとまでは言えないが普通の女性。




「ご一緒してもいいですか?」




彼女の温かい声で少し緊張が解けた。



話を聞くとどうやら地元の人のようだ

お酒もすすみ、お互い自己紹介や沖縄の方言なんかで

盛り上がり意外と楽しいところじゃんって思い始めた。



どうやらこのカップルは本当のカップルではなく

イケメンが無理矢理、彼女を連れてきたらしい。

私達と同じじゃん。そんなものなのか。と

最初の緊張から一変、とても楽しくお酒を交わした。




30分ほど喋りお酒も進み、私はお手洗いに行きたくなった。

「ちょっとトイレ、、」



トイレは入口にあり

最初にジロジロ見られたカウンターを通らなければならないがほろ酔い気分の私は初めほどの緊張もなく

周りを見る余裕もでき、辺りを見渡した。

ハプニングが起きてる様子は無い。




こんなものなのか。少し居心地が良くなった。

トイレを済ませ手を洗っていると同じテーブルのイケメンが立っていた。



「あっ、お手洗いですか?」と聞くと

反応がなく、じーっと私の方を見ている

どうしたんだろうと思いニコッと笑ってみせた。



すると腕を掴まれ

「ねぇキスしよ」

イケメンの顔が私の目の前に、、

びっくりした。何も言えなかった。



するとすかさずイケメンは、

「彼氏さん、キミとするのいいよって言ってたよ」



何を言っているのか分からなかった。

酔っている頭で必死に考え

「彼氏??あぁ私と一緒に来たA男か」と理解。




そして、私は何も言わずに頷いてしまった。

心のどこかでしたいと思ってたのかも



イケメンとキスをした。

少し強引だけど凄く興奮する。

流れている時間がとてもゆっくりに感じた。



唇が離れると満足気に

「あとでエッチもしちゃおっか」なんて言ってきた。

断る理由もなかった。



でもイケメンは衝撃の言葉を発する。

「今、彼氏さん、俺の女とシてるよ」



・・・まさか!



普段シャイなあのA男がそんな事するはずない!

「見に行こ!」

イケメンに手を引かれテーブルに戻ると

皆、私達が居たテーブルを凝視していた、その先で

イケメンの彼女がA男の男性器を咥えていた。



短時間で何が起きてるんだ・・・

体の中の全てがドクドク言ってる。



この感情は私の知っている語彙の中では

どれも当てはまらなかった

驚き、びっくり、ショックどれも違う。




すかさずイケメンは

「俺たちもシよ。」

動けなくなっている私に優しくキスをし、ソファに押し倒す

私のあらゆる所を触り甘い言葉を囁いてくる。

女とA男の事なんて忘れるくらい。




正直、凄く気持ち良かった。

周りに見られてる感覚も

私は今、こんなイケメンに抱かれてるって思うと

もっと見てほしいとすら思った。



いつの間にか、イケメン彼女もA男も店の皆んなが

私達を見ていた。



それからの事はあまり覚えてない。




覚えているとすれば

帰りの車で私は助手席からA男の男性器を

咥えていた。




A男は私とイケメンの行為を見て大興奮してしまったのだ。




私とA男って変なやつ。




そしてこの短時間、異世界に居たような

変な感覚。

暫くの間はこの出来事が頭から離れられなかった。




もっと色々な事があったが

脳が追いつかなくて覚えていて文で伝えられる事は

このくらい。




でも、これが私の風俗人生の第一歩となるなんて

この時は1ミリも思っていなかった。











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