1:25の男女比で普通に生きる男

チキンズチキン

プロローグ


「はい…では…また後日そちらにお伺います…はい失礼します」


俺、御手洗みたらい健は普通の営業のサラリーマンだ。

今、新たな契約を取れそうな感じだ!


「よっしゃ!また金を稼げるぞ!…ん?雨か…まずいな…会社帰れるか?」


俺がカフェで取引先と連絡している間に外は雨が降り始めていた。

このままだと俺のお気に入りのスーツがまずいことになる!仕方ないが、走って帰ろう!走って2分ぐらいで着くだろうしな!


「急げ急げぇー!ってやばい!?雷が鳴ってきた!」


俺が外に出た時には雨が降る上に雷が鳴り始めていた。だが、そんなことでも俺の足は止まらない!


「もがけ!俺の足ぃ!!走れぇ!!…」


俺は必死に走っていると体全身に激痛が走る。まさか俺の体に雷が落ちてきたのか?

俺の普通の人生がもう終わるのか…?

そんな馬鹿なことは無い…雷ぐらいじゃ死なないだろう!いけるさ!気絶したって生きているさ!多分だ!!


「まだまだぁ!…あれ?ここは一体…」


そこは真っ白な世界だった。そして、白い目の前には丸い玉があった。

すると、その玉が話しかけてきた。


「び、びっくりした…やぉ!健さん。調子はどうだい!?君は死んだよ!?」

「あっこんにちは!え?そんな簡単に言うの?俺、死んだの?」

「はい、死んだ。あっちの世界に行ってもらうね。それじゃ!」

「もうちょっと話してってぇぇ〜!!」


俺はなにかから落ちているような感覚がある。

本とかアニメとかだったらもっと話してくれるじゃん!?会話したの3行も満たないじゃねぇかよ!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


(俺は死んだって言ってたな…ホントなのかよ!?くそっ!なんだよ!ここは!息苦しい!早く出してくれ!)


「ん〜!!痛い痛い痛い!!」

「もうちょっと頑張って!もうすぐだから!」

「もういやぁぁ!!早く!!」

「ほらっ!もう出ましたよ!…え!?元気な…男の子です!女の子じゃないです!」


(はぁはぁはぁ…死ぬかと思った!…どこだ!?ここは!真っ暗闇だぞ!?)

「おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!」


「はぁはぁはぁ…男…の子?…ほんとに…?先生の言ってたことと…違うじゃない…ほんとに…男の子だわ…良かった…生き…て…て」


「ママさん!?まずいわ!早く!出血で死んでしまうわ!急いで!ほらっ!赤ちゃんは胸に置いておくわ!これで命を繋いで!」


(女の人の声!?しかも、俺が赤ちゃん!?死ぬ!?えっ?何?どういうこと!?おぎゃあおぎゃあ言ってるし、目も開かないしどうすりゃいいんだ!?訳が分からない!)

「おぎゃあ!おぎゃあ!」


「ママさん!?…そんな!?…赤ちゃんが産まれたのに…どうするのよ…この子…」


(そ、そうなのか…?もしかして、俺を産んだから死んだのか?そんな馬鹿なことがあってたまるか…!起きろ!俺のママさんよぉ!俺の人生を明るくしてくれよ!)

「おぎゃあ!おぎゃあ!」


「う…うぅ…」


「ッ!?早く輸血を!!時間との勝負よ!急いで!」


(よかった…まだ息があったのか…すごく…疲れた…)


「早く!急いで!…きん…しな…ひ…」


俺はママさんの胸の上でそのまま寝てしまった。

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