第9話 涼子

 ある日、現代の東京で社長秘書である涼子が、自らの関与を疑われる事件に巻き込まれる。彼女はコミュニケーション障害を持つため、周囲との関係をうまく築けず、謎めいた存在として扱われていた。


 涼子が勤める会社の社長が、突然死亡する事件が起きる。向精神薬を無理やり飲まされて死んだようだ。


 彼は障害者支援や社会貢献活動などで有名であり、彼に関わる多くの人々の中には疑惑や秘密を抱えている者も存在していた。


 涼子は自身の関与が疑われる中、真実を明らかにするために行動を開始する。彼女は社長の秘書としての知識と洞察力を活かし、事件の証拠や情報を集め、処理していく。


 関与者の中には、皇妃など高位の人物も含まれ、彼らは自身の秘密を守るために様々な手段を講じる。涼子は彼らの意図を見抜き、事件の真相に迫っていく。


 コミュニケーションの妨げとなるコミュ障の特異な視点から、涼子は証言や行動を分析し、事件のダイナミクスを解明していく。彼女はしばしば他の登場人物との摩擦や誤解に直面しながらも、徐々に事件の真相に近づいていく。


 また、社長の名前が火遠理朗人ほおりあきとだったので涼子は熊襲くまそをイメージした。朗人に聞けばいいのに、「あっ、あっ、あの……」とどもるから話にならずに図書館で調べた。

熊襲は、日本の記紀神話に登場する、現在の九州南部にあった襲国(別称 建日別・熊曾国)に本拠地を構え、大和王権に抵抗したとされる人々、また地域名自体を表す総称である。『古事記』には熊曾、『日本書紀』には熊襲と表記される。『筑前国風土記』では球磨囎唹という連称表記が見え、これを熊襲と同一視する意見もある。ただし、熊襲を「球磨+曽於」と解することは語呂合わせであるとの批判もある。


 熊襲は頭を渠帥者イサオと呼び、2人おり、その下に多くの小集団の頭たる梟帥タケルがいたと記している。大和王権は武力では押さえられないので、イサオの娘に多くの贈り物をして手なずけ、その娘に、父に酒を飲ませて酔わせ、弓の弦を切り、殺害した(ヤマトタケルが弟彦おとひこという武人を美濃国に求めた神話においても、敵を酔わせて殺害する戦法を取っている)。


 熊襲国は、『古事記』の国産み神話においては、八島のうち、隠岐の次、壱岐の前に生まれた筑紫島(九州)の四面のひとつとして語られ、別名を「建日別(タケヒワケ)」といったとされる。この箇所では集団としての「熊襲」には言及されていないが、『釈日本紀』では熊襲の説明で熊襲国の名を挙げ、更にこの熊襲国は佐渡島の事という説を挙げている。


 皇祖神の火遠理命とその兄の火照命が争い、敗北した火照命が弟に服属して隼人の阿多君の祖になったとする神話。


 熊襲は邪馬台国と敵対していた。

「社長を殺したのは邪馬台国の誰かかも知れない」

 ブースで本を閉じて独り言を言ってたら「ブツブツ、キモいよ」とデブが言った。

 スゴく嫌な気分になった。

「かっ、かっ、関係ないでしょ!」

 そう言って図書館から逃げ出した。頭の中で『冒険の旅』(すぎやまこういち作)が流れドラクエの気分に浸る。

『血路を開け』(すぎやまこういち作)が流れ脳内でデブとのバトルが始まる。涼子が振り回した剣によってデブの体が真っ二つになった。『フギャアアッ!!』デブは死んだ。


 意外や意外、犯人は実の息子の火遠理勲ほおりいさおだった。経営不振に陥った朗人はうつ病になり、ワガママでもあった。病院に付き添ったりいろいろやったが、労いもしないそんな父親に怒りを覚え一線を越えてしまったのだ。


 

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