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  • 震える葦への応援コメント


    とある検索ワードでたまたまタイトルを拝見して、拝読させていただきました。と言っても、BL要素よりは管楽器ネタに惹かれてのことですが、このむせ返るような濃密な心理描写には舌を巻くばかりです。まだ青春期とも呼べる主人公の、若い時期だからこその焦燥感やピュアな感覚なども瑞々しく描かれていて、それゆえにこのオチの苦さが何とも言えません。読みようによっては、これで「主人公は一つ大人になった」とも言えるんでしょうが、これで決着がついたわけでなし、本人のこれからも大変だなあと思う一方で、この手の泥沼感が堪えられないとおっしゃる層もそれなりにいるのかなと。

    しかし「売れないクラシックプレイヤー」のリアルをここまで描き込んだ作品も珍しいと思います w。エキストラのお声がぼつぼつかかって、ぎりぎり「食っていってる」と言えなくもない主人公のようなタイプはまた成功者の部類に入るわけですが、リード作りの内職もそんなにいい仕事ではないのですね……。普通に時給1100円の短期アルバイトで働くほうが確実なんでしょうかね。定期昇給があるわけでなし、人によってはこっちの風景のほうがよっぽどショッキングに映る作品だと思います……。

    タイトルが、往年の闘病ドキュメンタリー小説を意識したもののように受け取れましたけれど、深読みでしたらすみません。一義的にはもちろん楽器と、性の暗喩としての舌とを掛けていらっしゃるのでしょう。ただ、現状ですと、楽器プレイヤーとしての生活と、兄弟BLやってる片割れとしての生活とが、あんまりリンクしていないような印象があり、タイトルがただのダブルミーニングで終わってしまってる印象なのが、惜しいようにも思いました。

    以上、何かしら参考になりましたら幸いです。長文失礼しました。