第79話 優しいオーラ

 ピザを食べながら美波ちゃんの話になった。


「何とか公認のクラブにしてあげたいわね」


「何かいい方法は無いかなあ〜」


「玲司さんに相談してみようか?」


「お願いします」


「星七をXデーから守ってくれた子だからね」少し笑った。


 数日後の土曜日にそいとげの喫茶コーナーへ、ミコトさんと玲司さんも一緒にやって来た。美波ちゃんと仲間もやってくる。玲司さんから会いたいと言われたので、この場所になった。


「「いらっしゃいませ!」」佳さんんと茉白ちゃんが笑顔で迎えてくれた。


 しばらくすると可愛い5人組が緊張した表情で入ってくる。


『え〜、星七先輩とミコトさんだ、出版社の人も来てくれてるみたいだよ………』ボソボソと聞こえる。


「みんな来てくれてありがとう、紹介するよ、ミコトさんと出版社の井出玲司さん、みんなこっちに座って」僕は誘導する。


「佳さん、とりあえず飲み物を用意していただけますか?」


「了解!」


 しばらくすると茉白ちゃんがグリーンティーを持って来てくれた。


「マシュー先輩、浴衣かっこいいですねえ」美波ちゃんがニコニコしている。



「さて、私からの提案だけど、ボランティアとか大丈夫かな?」玲司さんは優しい表情で話し始めた。


「はい、どんな事でしょうか?」美波ちゃんは真剣に聞いている。


「幼稚園や小学校で、交通安全スクールが行われてるのは知ってるかな?」


「はい、小学校の校庭でやってるのを見たことがあります」


「最近では実際に自転車やバイクなどが走って、より分かりやすくしてるんだよ、だから、それに参加してくれると助かるんだけどなあ」


「はい、私たちに出来ることなら喜んで!」


「交通安全スクールはよく依頼があって協力しているから、それにバイクで参加するボランティア活動なら学校も許可しやすいんじゃないかな」


「そうかもしれません」5人は頷いている。


「他にも道路のゴミ拾いとか、公園の掃除なども協力したらいいかもしれないよ、バイクは行動範囲を広げて様々なボランティア活動に参加できることをアピールしたらいいんじゃないかな」


「はい、出来ることは何でも挑戦したいです」


「では、星七君に計画書を作ってもらうから、それで学校に交渉してみたら?」


「はい、ありがとうございます」5人はニコニコとお辞儀した。


「みんな、バイクの改造とか、変な飾りとかしてないよね?そう言うのがあったら折角の計画もダメになってしまうわ、だからしっかり自覚して頑張ってね」ミコトさんがアドバイスしてくれた。


「「「「「はい!私達頑張ります!」」」」」


「茉白ちゃん、この子達にメニューを見せてあげてね」


「はい!」茉白ちゃんはメニューを持って来て見せてくれた。


「みんなが頑張れるように、私からエネルギーのプレゼントよ」美琴さんはニッコリ5人を見ている。


「ミコトさん、ありがとうございます!」5人は喜んで拍手した。」


 美波ちゃん達は運ばれてきたスイーツをニコニコと食べて帰って行った。


 琴音さんは会計を済ますと玲司さんと帰って行く。


「やっぱ琴音さんカッコいいわあ………でもオーラが少し優しくなった気がする、今の方が魅力的かも………」佳さんは頷いている。


「星七君凄いねえ、美波ちゃんたちの事真剣に考えてくれたんだね」茉白ちゃんは僕をじっと見た。


「僕は大した事ないよ、琴音さんや玲司さんがいるからだよ」


「ヤホー君は謙虚だねえ」佳さんがニヤける。


茉白ちゃんのバイトの時間が終わると、2人でお客になった。


「美波ちゃんたちのクラブが認められたら良いなあ………」


「そうだね」



茉白ちゃんとしばらく話して帰ってきた。


「おかえり星七」


「ありがとうございました」僕はペコリと頭を下げた。


「いいのよ、星七の評価が上がれば私も嬉しいから」


「佳さんが、やっぱり琴音さんはカッコいいって言ってましたよ、この前は強いオーラで火傷しそうだったけど、今日はオーラが優しくなって凄く魅力的だって思ったそうです」


「そうなの?私は子供みたいになって、オーラなんか無くなったと思ってたわ」


「そんな事ありません!琴音さんは優しくなってより魅力的になったと僕も思います!」


「そっか、星七のおかげで肩の力が抜けたのかもしれないね」


「琴音さんはしっかり魅力的なんです!」


「ランデビじゃ無くなっても?」


「う………ランデビさんは当分お休みしてください………」僕は眉を寄せた。

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