虚空伽藍
ひとしずくの鯨
竜の試練篇 第1章
第1話
幻景1
それは、まさに、連なる螺旋の
この果てのない空を高く高く舞い上がって行く。
何ものにも遮られず。
誰も聞く者がいないであろうことも省みず。
ただただ、虚空へと。
第1話
冬を迎えようとして、寒さのつのる頃。
眼下に広がるは、
たしかに見つめる先は異なる。そこは割れておった。澄み渡る星天と塗りつぶされた如くの黒天に。その境をなす雲の
そして、その
ここまで赴いたのには理由があった。
一名はそのひょろ長い体を崖の上から落ちないかとはらはらさせるほどに乗り出し、天上の何かを見極めようとするかの如くであった。
もう一名は手元の書を見つめておる。
その文字を読み上げたのと同じ声が問う。
「やはり次が『
空を見上げておった者が答えるには、
「そのようです。天の六宮を六の惑星が占めております。そして、まさに
「ならば、戻って王に伝えなければなるまい」
「はい。この法が伝わるは、私たち
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