第20話 のーじょぶ☆制裁ストライク



 ここまでのあらすじ☆



 市場へ買い出しに来たホワイトとフレイム。

そこへ第8エリア管理局の貴族、ビネーガが現れ、フレイムを誘拐しようとする。

それを見た民衆から「犯罪者」だの「ロリコン」だの「キショイ」だの言われて逆切れしたビネーガがボウギャークを召還する。



 その後色々あってフレイムがビネーガをワンパンで倒し、残りは俺とボウギャークとの戦いになるのであった……。



「いやなんでフレイムが戦ってんだよ」



「サンデーがんばれー! ボウギャークをやっつけろー!」



「いや今更そんな応援モブ女児みたいな雰囲気出されても」



 あなたさっき大人の人倒しちゃったんだから。非力幼女アピールはもう無理だよ。



「…………」



「この変態が!」



 ドカッ! バキッ!



「税金上げて自分は『男の隠れ家・秘密の巨乳基地』ばっかり通いやがって! クソが!」



 ボカッ! バコッ!



「俺だって月に1度しかいけねえのによ!」



「……アナタ、今なんて?」



「えっ? あ、な、なんでもないさマイハニー……ぶべらっ!?」



 バッキィ!! ドゴォ!!



 フレイムにぶっ飛ばされて気を失ったビネーガは第8エリアの住民から日頃のうっ憤を晴らすべくボッコボコのメッタメタにされている。

いや、一部流れ弾を受けてる人がいますね……。



「ボウギャーーーク!!」



「よっしゃ! それじゃあタイマンといこうじゃねえかボウギャーク!」



 とはいえアイツを倒すには、あのゴロゴロ転がるやつとポポタマト汁ブッシャーをなんとかしないといけないな。



「アイツの汁は目に染みるんだよなあ。ゴーグルもねえし……いっそさっきみたいに目を瞑ったまま戦うか……?」



 スイカ割りみたいに誰かに指示してもらうか。誰かっていうか、まああの子なんだけど。



「フレイム!」



「な~に~?」



「いやなんでそんな『いいとも』みたいなリアクション……まあいいか、今から目瞑って戦うから、さっきみたいに指示してくれ!」



「は~い!」



 だ、大丈夫かな……。



 __ __



 ゴロゴロゴロゴロ……



「サンデー! 右からきてるよ!」



「ハッ!」



「次、うしろから! ポポ汁ブッシャーもきてる!」



「ヨッ!」



「次は右ななめ前~!」



「右斜め!? こっちか!?」



「あ、もうちょっと横……」



 ゴロゴロゴロゴロ……ドッシイイイン!!



「ウベェッ!?」



「あ~ぶつかっちゃった」



「ちょ、ちょっとフレイム、ゲーム感覚で指示しないで……」



 命かかってんだよこっちは。



「ボウギャーーーク!!」



「前から来てるから横に跳んで―!」



「はいよっ!」



「あ、そっちは」



「ん? うわっ!」



「バナナが落ちてるから気を付けてね~!」



 いやあ、ちょっと遅かったかなあ。



「いでっ」



 やっぱだめだ、目開けて戦おう。てか最初からそうすればよかった。アホか俺は。



「ボウギャッ!?」



 ゴロゴロゴロゴロ……ズルッ



「えっ?」



「ボ、ボウ、ギャーク……!!」



 なんと、俺と同じように落ちてたバナナに滑ったボウギャークが壁に突っ込み、その下に合った木箱にハマって動けなくなっているじゃないか!



「サンデーないすバナナ! 今だ! 必殺技~!!」



「えっ? あっオッケー! よっしゃ食らえボウギャーク! 『サンデーの、のーじょぶ☆制裁ストライク』!!」



 パアアアアアアア……



「こんにちは。労働の神、シャーチクです」



「あ、こんにちは」



 なんかいきなりキツネのお面を付けた女の人が現れた。え、なに? 労働の神?



「制裁が必要なノージョブの方はアナタですか?」



「い、いえ、あのポポタマト野郎です」



「ボウギャーク!?」



「なるほど、それはいけませんね。それでは制裁しましょう」



「ボ、ボウギャ」



 ビビビビビビビビ!!!!!!



 …………。



 女の人の指先から電撃のようなビームが放たれ、ボウギャークは動かなくなった。



「ふう、お仕事完了です。それではみなさま、お先に失礼します」



 パアアアアアアア……



「……あ、えーとなんだっけ、プリデビ☆はっぴねす!」



「コウフーク……」



 シュウウウ……とボウギャークが元のポポタマトに戻り、市場が修復されていく。



「キツネさん、つよかったね!」



「あ、うん……」



 いや、なんだったんだアイツ……下手したら俺がやられてたぞ……



「おーいサンデー! ボウギャークはどこじゃー!!」



「あ、サタデー」



 喫茶店のある通りの方からサタデーが走って来る。



「あーその、もう倒しちまった……」



「な、なんじゃと!? おぬしやるではないか! さっすが拙者の相棒じゃ!」



「あ、ああ……ははは」



 ほぼフレイムとバナナと労働の神とかいうヤツのおかげなんだけどな。



「それじゃあほれ、アレやるぞ!」



「アレ? なんだ?」



「これにて事件解決! プリティ☆デビルにお任せあれ! なのじゃ」



「いやなんだよそれ知らねえよ」



「プリティ☆デビルにおまかせあれ~!」



 まあその……まあいいや。はい、お任せあれ。



 __ __



「く、くそ……プリティ☆デビルめ、また邪魔しやがって……」



「ビネーガよ、またボウギャークを失うとは情けない」



「も、申し訳ございませんピックルス様……あの貧乳幼女が何故か強くて」



「言い訳はよい。あと強い貧乳は素晴らしいものだ、口には気を付けろ」



「は……」



「しかし、これで貴様はアバレールZを全て使い切ってしまった。三度失敗した者は管理者として失格だなあ」



「つ、次こそは奴らを倒してフレイム様を連れてきます! どうかもう一度チャンスを! なんでもしますから!」



「ほう、今なんでもやると言ったな?」



「え? いや……その……言葉の綾といいますか」



「今何でもやると、言ったな?」

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