4. ギャルゲーの洗礼は突然に
改めまして、真野魚尾(まの・うおお)です。学生時代、地元とは別の都道府県へ引っ越しました。
その頃、まだまだ勝手を知らない街中で、怪しいゲームショップを見つけました。よせばいいのに、若かった真野は好奇心優先で店に入り……直後に後悔します。
◆刺激的な出会い
カウンターに怖いお兄さんが座っていました。
カウンターの向こうに、ではありません。カウンターの上に、です。
すぐ横には怖いお姉さんも立っています。二人してこっちを睨んでいます。
ヤバい! このまま何も買わずに店を出たら、◯される……!(されません)
本能的にそう思った(勘違いです)真野は思い悩んだ末、一本のセガサターン用ソフトをレジに持って行きます。
パソコン版から移植された、とある有名美少女ゲームでした。この手のゲームは容易に値崩れしません。後で中古屋に売れば、その分の被害は減らせるだろうという算段です。
◆
年齢制限のあるゲームなので、タイトルは伏せます。キャラデザが門井亜矢先生といえば、お分かりの方もおられるかもしれません。
タイトルを一見して「下級生の女子と仲良くするのかな?」と思いきや、多数いるヒロインの殆どが同い年か年上という、驚きの仕様でした。
かの『ときめきメモリアル』が流行っていた時代、真野の初にして数少ないギャルゲー体験がこのゲームでした(なお『ときメモ』は現在に至るまで未プレイです)。
◆年上ヒロイン良い……良いのか……?
主人公は高3男子です。真野は「年上♂×年下♀」にはあまり萌えないので、年上♀ばかり狙っていました。
特に印象に残っているのが、音大生の山下美夏。実は学費を稼ぐため、夜にキャバクラでバイトしていましたという秘密の持ち主です。
選択肢で何でもハイハイ受け入れていたら、ルート確定していました。エンディングでは見事、キャバ嬢のヒモになりました。お幸せに。
ちなみに、良識ぶって夜バイトに苦言を呈すると、あっさりフラれます。他の女性たちも地雷持ちが多く、現実の恋愛を模したかのようなシビアさです。
◆ツンデレヒロインの完成形、ここに見たり
創作者目線で最も感心したヒロインは、同級生の新藤麗子です。
主人公に対しこれでもかとつらく当たる、絵に描いたようなツンデレお嬢様なのですが、そのスタンスが徹底しています。
ツン100%……デレない! 1ミリもデレない……! どこまで親密になろうと、直接的に好意を示す描写が一つもたりともないのです。
一応、周囲の反応から間接的に察せられる部分はありますが、それだけです。主人公も割とオラオラ系男子なので、Wツンデレカップルです。
そんな状態にもかかわらず、お互いの距離が徐々に縮まっていると分かるのが凄いです。エンディングでは二人は半同棲しています(記憶違いだったらすみません)。
とりあえず、真野のギャルゲ体験・序章はここまでです。
思えば、セガサターン(特に末期)はいわゆる美少女ゲームが沢山リリースされておりました。ただ、真野が実際にプレイしたのはほんの数本にすぎません。
そんな数少ない中から、次回は歴代ゲーム……否、今まで体験した創作物の中で最重要な作品にも触れていきたいと思います。
ヒントは、今回取り上げたゲームと同じメーカーです。
好きなキャラ(上で名前が出たキャラ以外):
緑谷麻紀(魚屋の娘)、加納涼子(美術部)、飯島美雪(陸上部)
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