悪の皇帝候補に転生したぼくは、ワルワルおにいちゃまとスイーツに囲まれたい!

野良猫のらん

第1話 ショートケーキの夢

 ぼくは夢を見ていた。


 夢の中では、ぼくは「ごくどーのあとつぎ」だった。

 ごくどーというのはすごいのだ。

 「くろふく」を何人も従えて、ワルワルなことをたくさんしてしまうのだ。


 けれども、夢の中のぼくは悲しいことが一つあるようだ。


 ショートケーキを食べてェなァ。

 夢の中のぼくは、心の中で呟いた。


 食べたいなら食べればいいのに。でも、くろふくの前で食べたら舐められるのだそうだ。

 ごくどーのあとつぎが舐められたら大変なんだって。


 夢の中のぼくは、ショートケーキを頭の中で思い浮かべる。

 それは真っ白の丸い食べ物だ。

 真っ白なのは、クリームという甘い食べ物で、その上にさらにイチゴっていう甘酸っぱいフルーツが乗っかっているのだ。

 ぼくまでショートケーキを食べたくなってしまった。


 そうだね、ショートケーキ食べたいね。

 そう思っていたら、夢の中の僕は急に地面に倒れてしまった。


 胸から血が出ている。

 鉄砲で撃たれたんだ、夢の中のぼくは思った。


 夢の中のぼくは、意識が遠のいていった……。

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