ゲームの皇子は自由きままに

@yuhi_sll

第1話

「おい、なんなんだこれは!王族としての自覚を持て。」


急に僕の部屋に入ってきた兄上に何故か怒られる。

兄上は現在9歳であり、僕の4つ上である。


そんな怒られた僕の部屋では今、メイドが3人いる。

1人が僕のイスとなり、もう1人はほとんど裸の状態で寝転がっており、もう1人は部屋の掃除をしている。


うん、これは怒られるね。まともなメイドも1人いるけど。5歳児の部屋ではないかな。

あと僕も今、鞭持ってるし。


「兄上、急にいらしてどうしたんですか?」


「お前のメイドの使い方が悪いという話を聞いたから確認しにきたんだ。これはお父様にも報告させてもらうよ。」


「はいはい、兄上は頭が固いなー」


そのまま兄上は怒ったまま部屋を出ていってしまった。


僕からしたら、これが1番いいんだけどなー



この世界はゲームの中の世界である。

(((タイトル))))

このゲームのベータテスターとして僕は選ばれて現在ゲームをプレイ中である。


僕がプレイしているキャラクターは、ティガ・アベルフェルトという名前であり、王族、それも第二皇子である。

同じ王族の子として兄上であるルカ・アベルフェルトと姉上ルナーリア、そして双子の妹のリリとミミがいる。


このゲームのベータテストの内容は、ティガ・アベルフェルトとして自由に生きること。

その中でバク(不自然に行動が制限されること)が起こる場面を見つけることが目的となっている。


まぁこっちからしたらしばらくは自由にゲームするだけなんだけどね。


あ、一個バクあるんだった、このゲーム自分でログアウトできないんだよね。最新のVRを用いたゲームだからかシステムウィンドウ開けないっていうバグがある。


まぁこれベータテストでよかったよ、ほんと。

これならいつかは外から外して貰えるだろうし。


まぁそんなこんなで最初の場面に戻る。


ゲームは現在の僕の年齢である5歳から始まった。それまでの生活はムービーとして見せられたから知っている。


赤ちゃんロールプレイなんてゲームでやりたくないからよかったよね。


5歳くらいなら比較的自由に色々できるし。


この世界にはレベルや称号というものが存在している。まぁゲームだし、


5歳でレベルは普通上げられないんだけど、このゲーム自分よりレベルが上の人に対して攻撃を行うことで経験値を手に入れることができるんだよね。


それでさっき怒られたけど。


「いやー、みんなごめんね。お父様に怒られるかも。」

僕はメイド達に対して謝る。


「いえ、大丈夫です。私たちは仕事としてティガ様にきちんとお金を貰っているので。」


そーなんだよね!レベル上げるためだし、お金もちゃんと渡してるし悪いことじゃなくない?

お陰で僕のレベルも6まで上がってるし。


普通の5歳児はレベル1だよ?




はい、なんやかんやで国王であるお父様にも怒られて参りました。

反省はしてません。

なんか王宮内では、僕が5歳のなのにもう傍若無人な暴れん坊だ、なんて噂されてるらしい。


まぁ側から見たら合ってるんだろうけど。


あ、あと僕の部屋が王宮から離れに移動となりました。外出を制限されることになりました。

一応第二皇子だし、更生することを期待しての反省部屋かな?



僕に付いてくれているメイド達以外は王宮内で僕のことを腫れ物のように扱うようになった。

そんなことしたら闇堕ちしちゃうよ?



離れの建物にやってきた僕だったけどこれは正直嬉しいと思ってる。だって今までコソコソやってた色んなことを隠れずにすることができるようになるんだから。



僕のメイドは現在3人いる。エレナとベル、シータの3人だ。

もうちょっと多い方がいいよね多分。



「お金が欲しいなー」

今回は思考がどうしようもなく口から溢れてしまった。

「今度は何をしようとしているのですか?」

エレナがそれに対して反応をしてくれる。


「離れになったしメイドをもっと増やそうかなって考えててね。」

「なるほど、私たちでは足りませんか?」

「いやいや、いっぱいいた方が仕事楽になるじゃん?」

「今でもティガ様は手がかからないですし、楽ですよ。」

「まぁとりあえずお金をどうするかだよ。」


メイドのくせに嬉しいことを言ってくれるな。これは福利厚生をしっかりとし超ホワイトメイドにしてあげなくては。

王宮のっていうか大体のメイドってブラックなんだよね。

一日24時間仕事がある生活を毎日するってやばいじゃん。



何も思いつかないから、第二皇子としての権力を使おうって思ってたけど、今離れに隔離中だし、外出できないから無理だった。


「ステータス」

----------------------

ティガ・アベルフェルト

第二皇子(謹慎中)

年齢:5

レベル:6

HP:70/70

MP120/120

スキル:

(スキルポイント:6)

称号:

挑戦者(自分よりもレベルの高い相手に挑んだ証)

Bプレイヤー(ベータテスターの証)

---------------------


暇だったし自分のステータスを眺めていた。

口で言えば見れるのは楽でいいよね。


スキルポイントを何に使うかは悩んでる。

1レベル上がると1貰えるんだよねこれ。

でも取得に最低でも3ポイントは高くない?


称号に関してはなんなんだろうねこれ?特に影響ないんだよね。




それから数日お金の稼ぎ方は思い付かず、いつものように経験値稼ぎ(メイドの鞭打ち)をしながら過ごしていたがチャンスがきた。


僕の双子の妹の1人であるミミが離れに遊びに来ることになった。


よし、ミミを懐柔するか。

そのためにこのスキルを習得しよう。

え、5ポイントも持ってかれたんだけど。

うまくいってくれよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る