第105話 女難の相が出ているとしか思えない
そして、これからアイシャと模擬戦を行うという時にマリアンヌが俺の心配をしてくれるのだが、それを俺の代わりにドゥーナが大丈夫だと答えてくれるではないか。
ドゥーナが信頼してくれているだけで何だか少しだけ嬉しく思ってしまう。
ちなみに冒険同士の模擬戦なのだが当然高ランクになっていくにつれて技や魔術の威力も上がる上に、使う武器は冒険者が実際に使っている武器や魔杖が多くなってくる。
勿論ギルド側は木剣などを表向きは勧めているのだが、上の者になればなるほど慣れ親しんだ武器じゃないと本来の力を発揮しないというのと、負けた時の良い訳にされる可能性を潰したいという事もあり本物の武器で行う模擬戦というのが増えて来る。
その場合勿論身体に後遺症が残ったり手足が切り落とされたり、最悪死亡するケースもある。
この場合ポーションを使えば何とかなるのだが、例えば腕を切り落とした後に炎魔術で焼き尽くしたりすると【フェニックスの尾】を使わない限りはくっつける腕が無い為回復は見込めないし、即死した場合も蘇生する事はできない。
そして、今回模擬戦の相手はSSS級であり、模擬戦の内容は実際に使っている武器の使用となっている為マリアンヌが俺の事を心配するのも分かるし、ドゥーナが俺の事を心配してくれるのは嬉しくも思う。
しかしながら、ただ一つだけ引っかかる事がある。
私の旦那様ならば分かるのだが
俺、その部分が気になり過ぎて模擬戦に集中できないのですが? ドゥーナさん。
というか、あの日一緒にマリアンヌと二人でお風呂に入った時かっ!? それとも一緒に寝た時なのかっ!? ドゥーナさんっ!! 一体マリアンヌと何を約束したっ!? 旦那様は嫌な予感で冷汗が止まらないんですがっ!!
アイシャの件といい女難の相が出ているとしか思えない……。
とりあえずこういう場合は『恐らく大丈夫、多分大丈夫、きっと大丈夫』だとか『言っても俺が当主だから何とかなる』などと思い後回しにしてしまうと取り返しのつかない事になりかねない(最近セバスが第二夫人を娶れという圧が増してきているのも気になる)ので、この模擬戦が終わったら二人とはしっかりと確認する必要がありそうだ。
今回ドゥーナの同行はここ帝都までなのだが(流石に俺の子供を身ごもっている状態では長旅になるかもしれない同行は許可できない代わりに別邸のある帝都までならば構わないという事を同意の上でここまで同行を許していた)、ドゥーナの身の回りの世話をする為にセバス及びセバスが選抜したメイド数名も一緒に帝都へと来ていた。
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