くたばれクソ上司

高田華江

くたばれクソ上司

 憂鬱。

月曜日の朝の何と気分の悪い事と言ったら。

イヤ、もう日曜日の夜から。 

声を聞きたくない。

顔も見たくない。


 朝礼で何か嫌味言ってんなぁ。

ああ気分が悪い。

また先週と違う方針言ってんなぁ。

ああ気分が悪い。

コロコロ言う事変えやがって。

「‥‥さん、何か言いたい事あるの?」

「え?はい?」

しまった。無意識に睨みつけてたか?

「‥‥さんさぁ、全然新規取れてないけどどうするの?俺はいいけど会社的にはマズいんだよね」

 

 頭の奥でプツッと音がした。

「あ?お前が私の案件潰したんじゃねえか!難くせつけて邪魔しやがったくせに」

 思わず机の上ハサミを奴の首に突き刺した。

 

 何度も通ってやっと取れた契約をほんの少しの値引きも許してくれなかった!自分の契約ならとんでもない値引きもやらかすくせに!!

 部下の契約が面白くない、そういう奴なんだ。

「ひっ」

と言ってひっくり返ったクソ上司の上に股がって何度も何度もハサミを振り下ろした。


 なんて出来る度胸も無くて

「すみません」

と頭を下げるしかなかった。


 転職出来る程若くもない。


頭の中で

グサッグサッグサッと殺るくらい許してほしい。


 今日も何とか仕事してる。





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