第6話「女神の声」

「なんだよ、また俺は誰も守れないのか」

「ねぇあなた、」

「誰だ君は、」

「そんな事より、降りないのそこから?」

「え?」

「いやー私のリンゴの木に引っかかってるでしょ」

「あ、ごめん、」

「大切に育ててる木なの、早く降りてちょうだい」

「ナイフあるか?」

「あーパラシュートを切るのね、待ってて」


「なんだそれ」

「これは伐採バサミよ」

「そんな長いハサミがあるんだな」

「だから、伐採用って言ってるでしょ」

「そうか、」


「怪我してるみたいね、手当するからウチにおいで」

「ああ、ありがとう」

「でも、なんでそんなに目が真っ赤なの?」

「俺はまた、大切な人を失ったんだ」

「そ、そういう事もあるわよ」

「なんだよ、それ、いい、もう帰る」

「なに、気を損ねちゃった?」

「だって君はまるで心にも無いことを言うから」


「私はね、自殺したのよ」

「自殺?」

「あんた気づいてないのね」

「どう言うことだ」

「ここって天国に一番近い場所なのよ」

「まさか俺は死んだのか」

「いいえ、違うは、」

「じゃあどう言う?」

「死にかけてる、それが正しいわね」


「じゃ君は一体、」

「私は女神みたいなものね」

「そうか」

「いい。失うってことはね、強く生きろって意味なのよ」

「なんだそれ」


「人が死ぬ時に、悲しいのは、心の支えを失ったから、助けてもらってたって証拠なの」

「なんだよ、そんなの綺麗事だ、死は最悪なものだ」

「それでも、生きなきゃいけないの、人はね、生きるために生まれたのよ」

「じゃあ、死はなんなんだよ」

「言ったでしょ、死は、強くなれって意味、」

「俺は、今どうなってるんだ、」

「そうね、生きるか死ぬかの瀬戸際にいるわ」

「黒姫、そう、俺の連れはここにはいないか」

「彼女は死んだは」

「嘘だろ・・・」

「本当よ」


「じゃ、あ俺は」

「生きなさい、あなたはまだ強くなりきれてない、だから生きなさい、さぁお目覚めの時よ」


バイタル正常値

意識戻りました


聞こえるかい?

>あ、あ、

大丈夫かい?

どうですか?

まだはっきりしませんね

>俺は一体、

君は、空から落ちてきたのさ

ここはアガルタだ


>アガルタ?

簡単言えば、地球にある国さ、天国でも地獄でもないよ


>そうなんですね

じゃ、もうちょっと休んでおいてね

>は、はい、。。


「おい主よ!」

「え?黒姫?

「そうじゃ、」

「生きてたのか」

「いいや、死んどるぞ」

「え?」

「ゴーストになったんじゃ、」

「なんだゴーストって」

「ひとまず、そこから早く抜け出すんじゃ!」

「なんでだ」


「そこはアガルタ、拷問の国じゃ」

「え!どういう事だ」

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