雑草さえも花束に

四季式部

日常

待ち合わせ場所はいつも通りモダンなガス灯をイメージしたこの町では有名な街灯の下だ。それにしても遅い。いつもは10分もすれば来るのだが。


「はー」息が白いとはしゃぐ僕の元にごめんごめんと手を合わせてきた友人ルイに挨拶するように「30分遅刻なんて通常だな。温かいのおごれよ」と返す。


今日は枝だけになってしまった木々に光が灯る。「きれーだな」白い息を出しながらルイが言う。今年も野郎二人でイルミネーションかよと思いつつ「来年は僕じゃないといいな」と嫌味を言ってやった。


お前もななんて言われた僕は出店に目をやった。


イチゴ飴にタピオカ、韓国風チーズホットドッグと焼きそば。活気にあふれていた。周りはやはりカップルや家族連れが多かったが、中には女性陣や高校生であろう集団が楽しそうに唐揚げなどを食べながら団欒していた。


僕たちは温まれそうな食べ物を買って食べ、その後も楽しい時間を過ごした。


ルイとはあの街灯で「また明日な」と別れた。

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