映画館で映画を
Z「ゴジラと鬼太郎が気になってるんですが……」
A「昭和の名作! もはや平成ですらないんすけど」
Z「なんでも共に特攻あがりのキャラクターが出てきて戦後の日本を描いていますが、スタンスは大きく異なるだなんだの比較している映画評も見かけて。鬼太郎のほうは横溝正史っぽいとも聞いていて」
A「観る前に映画評とかチェックするんすか? 楽しさ半減しません?」
Z「そこは注意して」
A「最近の若い人のなかには映画でもドラマでも観る前にオチも含めてざっくりと全体像を把握してから観賞するというタイプがいるらしいですが」
Z「なぜ?」
A「ってなりますよね。なんでもタイパとかつまらないものを観て損したくないとか、そーゆーことだそーです」
Z「倍速視聴とかそういうことか」
A「まぁわからんでもないんです。今、コンテンツは溢れているし。昨日のドラマ観た?が成立しない。後追い視聴とかあるし」
Z「それはラジコユーザーとしてはけしからんともいえない。Tverとか利用したいし」
A「共通の話題になりにくいんですかね。(コンテンツの)数が多くて、同時性が薄れてくると」
Z「誰かと盛り上がりたかったら、“アレ観た? おもろかったで”でええんちゃうの?」
A「そうなんでしょうけどね。あと映画館だと途中でスマホ触れなくてずっと作品に集中していないといけないから無理みたいなのも聞きますが」
Z「それは便利な道具が産んだ病気に近いものだと思っています。こういう言い方をすると傷つく人もいるのかな。実際、たまにありますよね、あ、あそこにスマホいじってる人いるって。今はいろいろな背景から電源を切るのではなく、マナーモードにすればOK、でも触らないでねというルールになってきているようですけど」
A「あ、でも、確かに電源をお切り下さいってアナウンスはなくなってますね。前の座席を蹴るなと禁煙は言うけれど」
Z「時間を無駄遣いしたくないはわかるんですが行き過ぎな気もして」
A「損したくないというのはなんなんかなぁ」
Z「たまに地雷というか、好みに合わない作品を引き当てるから面白いんですけどねぇ」
A「だから、この国が貧しくなっているのですよ。つまんない作品をめでる余裕がなくなったとか精神の話ではないですよ。若い人がエンタメに使えるお金、お財布の話です」
Z「若い人に限りませんけどね。そういや、映画2000円になったのいつからですか。前、1800円でしたよね」
A「今さら?」
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