心配すんななんとかなるという話
約15年前、私はNHKの合唱コンクール(以後Nコン)の課題曲を聴いていた。その頃の私はというと、高認試験の勉強をしながら音楽系の大学へ行くための勉強と練習をしていて、正直結構追い込まれていた。(しかも結果として大学受験は頓挫した)
私は吹奏楽部で合唱部とは縁がない人生だったけれど、合唱という行為が好きだったのでNコンの課題曲発表番組を観たり、Nコンの放送を見たりするの好きな、吹奏楽部じゃなければ合唱部へ入っていただろう人間である。
その年、中学校の課題曲はアンジェラアキさんの書いた『手紙~拝啓 十五の君へ~』だった。その曲を初めて聴いたとき、私はどこかで救われていて、いつの間にか泣いていたのを覚えている。
先日The First Takeでこの曲をまた聴いた。私はまたいつの間にか泣いていた。なんでなのかは分からない。15年前の自分からしたら、未来の自分はなんとも情けない姿だなとも思ったからなのかもしれないし、またさらに15年後の自分にとって今が無駄にならなければ良いなと思ったからなのかもしれない。
ひとつあの頃と同じことをあげるなら、私が夢を追っているということだろう。未来の自分も結局何かの夢を追わずには生きていられない奴だよ。音楽系の大学への受験が頓挫しても、私はちゃんと生きてるし新しい夢を見つけている。頓挫することが決定的になったとき、周りには強がりを言って平気なふりをしていたけれど、本当は悔しくて堪らなくて泣いていたことを覚えているから、今度は頓挫しないで目標を叶えたい。もういっそ夢じゃなくて目標に変えようと思う。現実にするのだという気持ちが大切だろうと思うから。
未来の自分へあてて書く手紙ならきっと素直に打ち明けられるだろうという言葉に動かされて書かれた手紙が、今も私の楽器ケースには眠っている。あの頃の自分が思い描いていた未来ではないけれど、大丈夫だ。だから15年後の私にも言いたい。心配すんな、なんとかなる。
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