作家デビュー
学校から帰宅し、小説サイトをチェックするとメッセージが届いており、確認すると驚くべき事が書かれていた。
『アーブ先生へ、○○社レーベル◇◇より、あなたの『俺のスキルで全てを凌駕するぜ』を書籍化したいと思っております、ご返答のほどをお待ちしております ○○社◇◇ 』
まさかの展開に驚くが、認められたという意味でも僕はこの話を受諾し、そして様々な工程があり、僕はサイト内で書籍化が決まった事を報告するといの一番に返信をくれたのはあの人だった。
『本当ですか!すごい!おめでとうございます!信じられないかもしれないけど、私、アーブ先生なら書籍化すると思っていましたよ!買いますし、何ならファンレターも送ったりなんかしちゃったりなんかしちゃったり(笑)、あ、すいません。とにかく発売楽しみしています。 投稿者:ミヤ』
これミヤさん、すごく喜んでいないか。僕の作品が出てそんなに嬉しいのかな。
本格作家デビューに伴い、文芸同好会との両立が難しい事を感じた僕は仲間達に退部の意思を告げる事にした。
「というわけで、これから本格的に作家活動をするから僕は退部させていただきたいと思います」
「うーーん、アーブが抜けるのは寂しいが、お前は俺達の希望だしな」
「少し遅れるが俺達もいつかデビューしてお前に追い付いてやるからな」
「ありがとうみんな、それじゃあもう帰るよ」
僕が部室をあとにすると何故か扉の前に清水さんがいて驚く。
「清水さん、どうしたの?」
「ちょ、ちょっと近くに用があって通りかかっただけよ、それよりもう同好会終わりなの?」
「実はさ、今日で辞めたんだよね」
「辞める?どうして?」
「そ、そろそろ大学受験に備えた方がいいかなって」
「……そうなの、冊子が読めないのは残念だけどそれは仕方ないわね」
そう言って、清水さんは僕の前から姿を消し、卒業まで特に話をする事はなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます