恋の媚薬
雨宮こるり
第1話
恋の媚薬は蜜の味。
鼻孔をくすぐる果実酒に、一匙掬って入れるのです。さすれば、たちまち琥珀色。
一口飲まねば気が済まぬ、魅惑の芳香漂わせ、あなたの大事な想い人、必ず口に含むでしょう。
ごくりと喉を鳴らしては、琥珀の液体流し込む、想い人の血の中に、恋の媚薬は溶け出して、体中を駆け巡る。瞳に映した最初の乙女、手を伸ばさずにはいられない。
さあ、持っておいきなさい。恋に身を捧げた少女よ。恋の媚薬を使って、あなたの想い人を虜にしてしまうのです。
それこそが、あなたの望み。それこそが、わたしの願い。
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