【完結】彼女が恐れられる理由
かんな
プロローグ
「――貴方が悪いのよ」
燃え盛る炎の中で、女は微笑みながらそう言った。まるで聖母のように穏やかで慈愛に満ちた笑みだった。
そして、女は恐怖に怯えた男の首に手をかけた。
その細い指が喉を締め付けていく。男は逃れようともがくが、炎と煙で息をすることすらままならない。やがて男の意識は遠退いていった。
「……一緒に死にましょう?」
もはやそれに答えるだけの力はないように男には思えた。
しかし、女はその言葉を聞いて満足したように目を細めた。そして、ゆっくりと男の上に倒れ込むようにして――。
「……貴方のこと……愛していますわ」
耳元で囁かれた声は、どこか狂気じみていた。
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