第7話 【探索者登録・4】
「今日は探索者登録をお願いしにきたの」
「探索者登録ですか? というと、そちらの男の子ですか?」
受付の方はクロ姉の言葉を聞くと、俺の方を見てそう言った。
その後、俺はクロ姉と変わり受付の方と話をして、探索者について説明してもらった。
探索者、異変が起きた世界に対し対抗する職業。
功績に応じてランク分けされていて、〝S、A、B、C、D、E、F〟の7段階に分かれてる。
ランクに応じて受けられる依頼や入れるダンジョンも変わり、更にはランクが上がると色んな待遇も受けられると説明された。
その他にも探索者について詳しく説明してもらった俺は、探索者についてある程度理解した。
「探索者についてはこんな感じですが、分からない点はありましたか?」
「いえ、大丈夫です」
「分かりました。それではこのまま、登録の手続きに進みますね」
そう言われた俺は、受付の人改め
用紙記入後、登録料の一万円と一緒に里香さんに返すと、用紙に問題が無いか確認された。
「それでは次に、適性検査をしますので場所を移動しますね。付いてきてください」
適性検査、それは探索者として才能があるのか確認する検査。
この検査で点数が高いと、本来は最低ランクから少しずつ上げるランクを最初から少し高いランクから始められると聞いた。
それならある程度、力を開放して受けた方が今後の活動的にもいいな。
「それではまず蓮さんは魔法も出来ると書かれていましたので、そちらの検査から始めさせていただきます」
「はい」
一つ目の検査は魔法の実力を測る為のものみたいで、沢山の的が出現した。
試験としては的に精確に魔法を当てる事、またその中には仲間の的も偶に出現するらしく、それに当てると減点になると説明された。
「では始めます。準備は良いですね」
里香さんの言葉に俺は頷き、試験が始まった。
試験が始まると的は急に動き出し、俺はその的に向かって精確に魔法を当て続けた。
説明された通り、中には仲間の的もあったが俺はその的には一度も当てず、試験時間を十分に残した状態で的を全て打ち抜いた。
「す、凄い魔法の腕ですね……探索者登録者の中でここまで魔法が上手い方は初めて見ました」
里香さんは俺の魔法の腕を見てそう感想を言うと、試験を見ていたクロ姉達は呆気に取られていた。
その後、戦闘訓練は得意な武器を一つ選び試験用に用意されたロボットと戦うと言う内容だった。
正直、これに関して言えば魔法検査よりも簡単で用意されたロボットを一分も掛らず全て倒してしまった。
「……蓮さんって、登録に来る前に何かしていましたか?」
里香さんは俺が戦闘に慣れてると見抜いたのか、そんな質問をしてきた。
しかし、異世界に行っていたという話は家族とクロ姉達だけとの秘密にしようという事になり、里香さんの質問には黙秘権で押し通した。
「探索者さんの中には秘密のある方も居ますが、私が見てきた中で蓮さんはその中でも別格ですね……」
「里香さん、あんまり詮索はしないでね。そうじゃないと、私達も蓮君と一緒にここの協会を離れないといけなくなるから」
「……分かりました。蓮さん、失礼しました」
クロ姉の言葉に里香さんは、これ以上の追及はしなかった。
その後、試験を無事に終えた俺は適性検査は満点合格だった聞かされ、最初のランクは〝D〟からのスタートだと聞かされた。
「蓮さんはそれ以上の実力があると思いますが、現状適性検査ではDランク以上にする事は出来ませんのでそのランクとなります」
「分かりました。ありがとうございます」
そうして俺は無事、探索者として登録した証の〝探索者カード〟を受け取った。
「蓮君、どうする。このままダンジョンに行っても良いけど」
「う~ん……今日はやめとこうかな、ちょっとやる事もあるから行くなら明日からかな」
クロ姉の誘いに俺はそう言うと、それなら明日一緒に行こうとクロ姉と約束をした。
それからやる事を終えた俺達は、自宅に帰りクロ姉と部屋の前で別れて家の中に入った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます