【覇王の料理番】ただの料理好き女子高生が異世界召喚転移をさせられたので家族を捜し出してのんびりスローライフを楽しもうとしたら、冷酷無慈悲なくせに甘党なイケメン皇帝の専属料理人に任命されちゃいました!

桃もちみいか(天音葵葉)

序章 まさかの異世界召喚転移!

 まさか私が、巷で噂の異世界召喚をさせられちゃっただなんて!!





 私は、弥生。歳は16歳。

 いたって普っ通のどこにでもいる女子高生です。


 大好きなおばあちゃんの洋食亭でお手伝いをするのが日課なんだ。




 夏休み、母の絵美と姉の葉月と、おばあちゃんの誕生日にケーキを取りにショッピングモールに行ったら、運悪く爆発事故に巻き込まれてしまいました。


 その時ちょうど、どっかの魔法使いがなんかの儀式をしていた異世界のごたごたに巻き込まれ転移することになっちゃった!



 怖い魔物がうじゃうじゃいる森で大ピンチの私を救ったのは、冷酷無慈悲の鬼皇帝と怖れられる覇王フリード様だったの。


 彼には実は誰にも言えない秘密がある。


 出会ったばかりで彼がどんなすごい人とか分かってなかったし、彼がこの世界の何者かよく知らない私は、お礼に野営地で料理を振る舞ったんだけどね……。


 うっかりフリード様の秘密を知ってしまった私。


 怖がられてる無敵の脅威のはずの皇帝フリード様は、実はお子ちゃま舌で辛いものや苦すぎるものを使った大人な料理は苦手だったのだ〜!


 プププッ、まじかっ!?


 私が作ったおばあちゃん仕込みの愛情真心をこめたカレーライスにハンバーグ。


 栄養バランスを考えて、野菜をすりおろして入れたりするんだけど。


 味が好みだったのか、私のご飯をすっかり気に入ってしまったフリード様が、魔法も剣も使えない、ただの人間の私を専属の料理番に雇うと言い出しちゃった!


 はてさて、どうしよう〜!?

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