第三話:聖女様の計画
「それで、とりあえずは何処へ向かいますか?」
「そうですわね、まずは衛星都市ユーベルトにでも向かいましょうかしら? あそこは女神信教の総本山があり、子宝の女神様のおかげで若い子も多いと聞きますわ♡」
「いや、何処からそんな情報を」
「ふむ、聖女様が諸国漫遊に出ると聞かされ驚かされましたが、そうですか、女神様の神殿を回るおつもりですな? 流石聖女様! 戦後の神殿のご様子を
「いや、本当の目的はそうじゃないんだけど……でもまあ、拠点としては神殿なら聖女様だから使えるしな。とにかくユーベルトですね、エマリアル様?」
「はい、れっつらごーですわ!」
こうして彼女らの旅は始まったのだった。
* * *
夕闇、焚火の炎がオレンジ色の世界を作っている。
もうじき就寝の時間だが、野宿では外敵からの見張りも重要だった。
とりあえず
「ねえ、リーリアまだ起きていますの?」
「はい、どうしたんですかエマリアル様?」
「あの、その、私ってもう二十五歳じゃないですの、理想の男性を捕まえるにはどうしたらいいのか経験豊富なリーリアなら何か良い案があるのではと思いましてですわ」
そう言うエマリアルは赤い顔をしながらそう言う。
リーリアはため息を吐いてから言う。
「そうですね、年上の女性に対して大体の男性はリードしてもらう事を望みますね。特にエマリアル様のようなお美しく、豊満なお身体をお持ちな方には身をゆだねて色々してもらえばもう確実に虜になりますね」
「そ、そんな。私、その、そう言った経験は全く無いですわよ? だとすると理想の殿方を捕まえるのは難しいと言う事ですの!?」
「いやまぁ、二十五にもなってバージンだなんておっさん当たりならよだれ垂らして喜びそうなもんですが、アルベルト様くらいの男の子じゃ……」
「ど、どうしたら良いのですの!?」
「そりゃぁ、経験を少しでも積んでリードでも出来れば…… って、まあ聖女様にそれは無理だし、せっかくのバージンを捨てるだなんて……」
「そうですか、私が経験豊富になれば理想の旦那様が手に入るのですわね? 若い男の子はリードしてくれる
「あ、いや、エマリアル様」
すーぴーすーぴー
「一瞬で寝やがった!? どんだけ寝つきがいいんだよ!? はぁ、まずったなぁ……」
リーリアの失言でとんでもない方向へと話は進みそうだった。
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