第7話 デスゲーム・ルール説明!
恐怖する少女達を前に、ゲームマスターは変わりなく話し出した。
『はい~それではルールを説明します』
ゲーム・マスターが映っていた画面が、地図に変わる。
「……島……?」
確かにそれは孤立した島に見える。
『これは今・君達がいる島ですよぉ』
さっきまで病院にいたはずなのに、まさかと動揺が走る。
『此処がこの研究所』
北側にある建物がチカチカと点滅する。
『この南の建物が君達の暮らす寮だよ~~』
「暮らす……? みんなで?」
『はい~その通り! ではゲームのルール! オオオオオオオ~~プン!』
画面に文字列が並ぶ。
デス・ゲームルール
1⃣最後の一人になるまで、殺し合いをしてもらいます。しっかり食べよう!無駄にしたらペナルティ!
2⃣寮内には個室が全員分用意されています。寮内に滞在できる時間は一日17時間。
3⃣寮内での殺し合い、話し合いなどは禁止。個人行動厳守。寮外では自由。
4⃣全体で一日に必ず一人は捕食しよう。
5⃣GPS付きの腕時計と島の現在地がわかる地図アプリのみ使える端末を配布します。
6⃣目指せ!吸血姫☆
『まぁこれが大まかなルールです。みんなわかったかなぁ?』
「殺し合いって……」
『もちろん息の根を止める時は相手の首元にかぶりついて・力を得てくださいね~。もう一体も無駄にはできませんから・はいこれがわかりやすい吸血姫への計算式』
レベル1がレベル1を捕食→レベル2にレベルアップ
レベル2がレベル3を捕食→レベル5にレベルアップ
「へぇ~つまりレベルが高いやつを食えば一気にレベルが上がるわけだ」
真莉愛が面白そうに言う。
『そうそう・蠱毒システムですよぉ・今の貴女達はレベル1・血でできた針くらいは具現化できるんではないでしょうか』
「血でできた……?」
『吸血鬼は自分の血を武器にする事ができます・レベルが上がれば針から短剣そして長剣……と殺戮するレベルもアップするはず! どんどん吸血姫へ近づいていくからねぇ♪』
「ふふふ……自前の武器かぁ! いいじゃん!」
真莉愛が突然立ち上がり、手のひらに力を込めた。
すると確かに真っ赤な竹串のような物体が現れる。
「ひゃひゃひゃ! 本当だぁ! じゃあこれを! ぶっ刺して!!」
真莉愛は逃げようとした女生徒の頭を鷲掴み、そのまま首へ突き刺した。
「きゃあああ!」
一気に悲鳴があがり、皆が逃げ出す。
そんな周りなど気にせずに、更に真莉愛は女生徒の血が吹き出る首元へ齧りついた。
『おやおや』
「ジュルジュルジュルジュル……!!」
「ぎゃああああ……あ……あああ……あぁ……」
断末魔の叫び声はすぐに掠れて……女生徒はボロボロと灰になって崩れていく……。
後にはパジャマだけが残った。
「……なんてことをするの……」
全員が、震え青ざめ泣きながら真莉愛を見るが真莉愛はギャハハハハと笑い出す。
「これでレベル2だねぇ! いいかお前ら! 吸血鬼の姫になるのはあたしだよ!」
『ほうほう・これはすごい有望株がおりましたねぇ・でもデータも取りたいから此処で全員殺すのはやめてよね』
「はぁ~~!? ダメなのかよ……ったく!!」
真莉愛の口周りの血も灰のになり、グイと拭っただけで消えた。
『えーっと今喰われたのは、山本千亜希さん。サヨーナラ~~可哀想だったネ☆』
あまりに軽い扱いに、怒りが湧くより先に実感がない。
これが人の死への言葉なのか……。
死者への祈りを唱える声が聞こえてきた。
『それでは~これから寮に移動しまぁす・今日は疲れもあるだろうから夕飯食べて就寝だよ~・また後でね』
また銃を持った兵士達がやってきて全員に目隠しをさせ、手錠をはめた。
「優楽……」
「優笑ちゃん……」
寮に行けば、もう話をする事は禁止されてしまう。
どうしようどうしよう……何度も考え、ハッと思いつく。
優笑は優楽の耳元で囁く。
「さっきの地図覚えてる?」
「……うん……」
先程の地図、寮は林の中にあるようだった。
「明日の朝9時に、寮から北西の方角の林の中で隠れていて……私が必ず見つけてみせるから」
「わかった……大きな石や目印になる物があったら、そこにいる」
「じゃあ最初に見た大きな石のところで、必ず見つける」
「うん、わかった」
「絶対に無事でいて」
「優笑ちゃんこそ」
手錠をかけられた手を握り合う。
こんな待ち合わせ方法で、果たして会えるのかわからない。
でもこの方法しか思いつかなかった。
これから一体どうなってしまうのか。
すすり泣く女生徒に、笑う女生徒、冷静に周りを見る女生徒……。
優笑も優楽も恐怖で涙は止まらない。
それでも残酷なデス・ゲームは始まってしまった。
【生存者:29名 死亡者:2名 二人目・山本千亜希 通信係抜擢:1名 鬼頭真莉愛レベル2】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます