第32話 ようやくハーレムパーティ
次の日、仕方なく再びカイト達の所を訪れた。
「勇者達は居るよね?」
「居ますが……その!? その……」
顔を赤くしている。
という事は『やっていた』そう言う事だ。
「ちょっと、悪いけど合鍵を貸してくれないか?」
俺が世話役だって事はもう宿屋の方で把握している。
だから、宿屋の受付の子がカギを貸してくれた。
そのまま部屋の前まで移動してノックをしないで合鍵を使いドアを開ける。
「やっているかーーい!」
「おい……」
「嘘……なんでいきなり」
「ちょっ、ノック位しろよ馬鹿ぁぁぁーー」
「嫌ぁぁぁぁーー」
うん、凄いな。
俗にいう4Pって奴だね。
あはははははは……
「うんうん、シーツにもしっかり破瓜の印の血があるし……ハーレムパーティ決定だね! すぐに戻るから」
俺はそのまま、ドアを閉めてその場を立ち去った。
後ろからなにか聞こえてくるが知らない。
◆◆◆
近くの教会に来ている。
勿論、一線を越えたのだから『ハーレムパーティ申請』だ。
良かった。
長かった。
これでもう、カイト達の下(しも)の事を気にしなくて済む。
「おや、リヒト様今日はどうかされたのですか?」
「はい、勇者カイト達のハーレムパーティ申請に来ました」
司祭は少し、目を伏せてこちらを見た。
「ようやく……ですか」
「はい」
まぁ、あれだけイチャついていれば、知らないのは当人たちだけだ。
情報通の教会が知らない筈はないよな。
俺はあらかじめ用意して置いた書類をそのまま提出した。
ただ、これでカイト達、勇者パーティの魔王討伐のあとの褒賞はかなり減る。
具体的に言うなら、王族や貴族との婚姻は無くなった。
王族や貴族はお古(おふる)を嫌う。
特別な事情が無い限り、これで王族や貴族との婚姻は無い。
まぁ、歳を食った貴族なら後添えという形であるかも知れないが……
王族や貴族との婚姻が無くなれば、勿論、爵位や領地が手に入りにくい。
新しい爵位を活躍によって貰うか、領地を下賜されるしかその道はない。
尤も、良い領地は誰かしら貴族が持っているから、多分もらえる領地は切り開く必要があるような僻地だ。
つまり……お金や地位だけの話なら、かなり損した事になる。
そして……ある意味、貴族にとって価値が低い勇者パーティとなる。
貴族や王族の中で、凱旋した勇者や聖女との婚姻は家名に箔がつく。
だからこそ支援が沢山貰える。
この先、領地を訪れた際の歓迎も恐らく変わるだろう。
王だってこの先自分の娘婿になる存在と違う存在じゃ扱いは変わるだろう。
その反面……四人は恋愛という意味では自由になったと言える。
気の済む迄ヤリタイ放題。
もう誰も咎めない。
そして……教会にとっては『勇者と聖女たち三職の婚姻』は好ましいから、歓迎される。だが離婚は醜聞になるから、きっともう別れられない。
ある意味、もう4人は離れる事は無理だろうな。
まぁ、本当に愛し合っているなら問題ない。
それに4人は別れられないけど、仲間を増やす事は可能だから、うん問題は無いだろう。
「確かに書類は揃ってますね。受理しました。これで大丈夫です! 申し訳ないですが、避妊についてのご指導をしてあげて下さい」
「それなら心配なく、これから奴隷商に連れていき避妊紋を刻んで貰う予定ですから」
「ただでさえ行程が遅れているので妊娠が元で一年近く遅れたから事ですからな……それなら、安心ですな」
「はい」
これでようやく、一つ心配が減ったな。
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