第20話 初めての討伐

「これ位、出来ればゴブリン位なら狩れるよ、今日は街道でゴブリンを狩ろうか?」


「洞窟じゃ無くて街道?」


「そうだけど?今のリヒトの実力じゃ、ゴブリンのいる様な洞窟行ったら死ぬよ! 洞窟には無数のゴブリンが居るんだからね…舐めちゃ駄目だよ…数の暴力は怖いんだ…ベテラン冒険者だって死んだり、苗床にされたりする事もある。ゴブリンのいる洞窟に行く位なら、一対一でオーガと戦った方がまだ楽だって」


「そうなんだ…」


「ゴブリンのいる洞窟攻略は難しいんだ…それ専門に頑張ってS級冒険者になった人が居た位だよ…確か、ゴブリンス…」


「ああっ大丈夫! レイラが危ないって言うならしないから」


「それがよいよ」


しかし、知らない事ばかりだ。


てっきり、最初はゴブリンが居る洞窟に行くのかと思ったけど、全然違うんだな。


「それじゃ、街道から頑張りますか」


「今日は初日、ゴブリン三体、目標に頑張ろう」


こうして僕とレイラは街道沿いに向かう事にした。


◆◆◆


「しかし、なかなか居ないね」


「リヒト、それが良いんだよ! そんな沢山生息する場所に行ったら、それはそれで命がけなんだ! よくゴブリンは弱いって言うけど徒党を組んだらそれは全く恐ろしい存在だよ!私だってゴブリンが100も居たら危ないからね」


「肝に銘じます」


「絶対だからね」


そう言えば、カイト達は大丈夫か?


この街での目標がオークを狩れるようになる。


それが目標だけど、幾ら勇者のジョブを持っているとは、恐らくは初めての討伐。


俺とそんなに変わらないかも知れない。


まぁ、冒険者ギルドに相談しながらだから、無茶な事はしないよな?


まぁ気にしても仕方が無い。


俺は俺で自分の為、レイラの為に頑張るだけだ。


「見つけました!」


「おあつらえ向きに一体だけだ!まぁ丁度よいね? やって見な」


「はい」


俺はゴブリンにゆっくりと近づいていった。


どうやら、向こうもこちらに気がついたようだ。


「キシャァァァァーー」


こちらに走ってきた。

あらかじめ抜いておいた短剣をレイラから教わった様に構え、横に薙ぎ払った。


ゴブリンはその攻撃をお腹に受け…そのまま死んだ。


「どう? 初めての討伐は?」


確かに一撃で殺せた。


だけど…手にずっしりとした感触があり一体斬っただけで手が震えている。


「思ったより…強いし疲れた。そう思った」


「そりゃ、向こうだって命懸けで戦っているんだから、当たり前だよ。子供位の肉を斬るんだから、思ったより疲れるのも普通だよ」


それに俺じたいも初心者。


複数なんて相手に出来ない…


「そうだよね? 街道沿いは流石にゴブリンも大群では現れないからね、こうやって少数を相手に出来るんだ…洞窟に行ったら、これがウジャウジャ出るんだ、危ないだろう?」


「そうだね、レイラの言通りだ」


なにか忘れている気もするが…まぁ忘れる位だから、大した事じゃ無いだろう。







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