六道猶ホ炎ノ如シ
六道猶ホ炎ノ如シ…壱…
ディゾールの休暇
インカー -with Emblaier-
十八歳、女。
砂漠の世界の民で、炎の神の
炎の剣を取った理由は「愛する者とともにあるため」
大らかで
──────
それは
「なぜここにお前が呼ばれたか分かるか?」
アザレイは
「お前、とは私でしょうか。ガンホムは、ともに呼ばれたのではないのですね。……でしたら、心当たりは一つしかありません。ガンホムが、私の会話を聞き、団長に報告したということでしょう」
皆私服ではあるが、場の雰囲気に合わせ、ディゾールは言葉づかいを改める。そう、ここは
「……誰と話していた」
「
「心当たりは一つしかないのだろう。とぼけるな」
「……。私の
アザレイはディゾールを観察した。確かに彼の
「……
アザレイが
「いえ、私は長を
「……またあの人か……。いいだろう、それは一旦、信じるとしよう。それでお前は、これからも戦えるのか」
「問題ありません」
「甥相手でも?」
「
「良し、戻ってよい」
アザレイがそう結論づけると、ガンホムが意を決したように口を開いた。
「待ってくれ、団長殿。こいつは
「……ディゾール。会話内容の説明を求める。ガンホムを
「
「……いや、なんか
「ま、いいけどさ。あいつがあんまり
「やっぱ内通じゃねえか」
「まあ最後まで聞けって。その内容は、コトノ
「……何だと?」
ガンホムがおどろいたように耳を向けた。アザレイは注意深く目を細めた。
「それであの時、コトノ主を捕まえられたのか」
「そうです。もともと〈卵〉の
「
「はい。奴は
アザレイは
「……なるほど、そういう人間か……音のは。であれば、お前がすべきことは何だった?」
「……コトノ主様を
「捕獲した後は?」
「………団長に進言するべきでした。消耗戦の続行を」
ディゾールの
「そうだ。そこで甥を
……しかし、
……
「アズ!? さすがにそれこそ甘いんじゃねぇのか」
ガンホムが思わず大声をあげる。アザレイはあくまで真剣な顔だ。
「ガンホム。お前もディゾールも、俺の大事な部下なんだ。この程度の
「なんでぇ!!?」
「もー! アズもディズも皆甘々なんだからー!!」
「ガンホム、その巨体で
「俺今マジでキレてんの! 分かんないかなぁ!?」
「キレると言葉づかいおかしくなるんだな、お前……」
ディゾールが笑うと、ガンホムが
「
「やっやめろ……! お前その身長は……
ディゾールがガンホムの
「あー、しかしディゾールとデートさせられるとはなぁ。これが公開
「ゴホッゴホッ……へっ、
「ウルスラちゃんに新しいパパだよーって紹介すんの?」
「
ディゾールの思わぬ真面目なトーンに、ガンホムはハッと反省した。
「……いやごめん、軽い気持ちの
「いやまあ、パパ二人はさすがに
「俺のこのしょんぼりした気持ちは!?」
「うん? 面白いからそのままにしとこう」
えーっ!と戦友が不平を
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