セルシアVSリノ
金色の
リノはやはりというべきか、片手剣を持ちながら人間離れした
弾む呼吸を聞く。
筋肉の
体重を掛けた瞬間の砂の
それらから
リノは自身の攻撃が読まれていると感じ、まずはじめにクラッキングを疑った。しかし、自身の
では自分と同じブーストの
(確かに、この人は異常に耳がいい……。でも、まさかそれだけで?)
ついにリノの剣が押しかえされる。リノは距離を取り、不敵に
「おどろいたよ、セルシアさん。この僕のブーストに、
「やはり、ご存じでしたか。僕くらい耳がいいとね、その人の心の声まで聞こえてくるんですよ」
「……なんだって?」
リノは、周囲のナノマシンに司令を出し、自分の周囲の攻性防壁を一段階高めた。セルシアは何かを聞きわけたのか、少し
でもそうなると、レオンの影分身をセルシアも使ってきた場合に、防げなくなる。読心の発言はフカシかもしれない、そのために実際発動しかねない技に対する防衛策を捨てるのは悪手だろう。
(読まれてでも、やってみるしかないよね……!)
セルシアも、防戦一方で攻めあぐねていた。リノの動きが速すぎて、
やはり、音の剣で隙を作るしかない。
聴覚破壊は永続しないと雷様から
空飛ぶ鳥が落ちるほどの
リノが打ちこんだ瞬間、バーン!と何かが破裂するような激しい衝撃が頭を襲った。一瞬にして防御モジュールが打ち消したが、思わず後ろにふらつく。セルシアはその隙を逃さず左上から
ギキン!!
スッと出てきた剣に防がれる。
(なんだとっ!?)
今のはありえない動きだ。
絶対に見えていなかったし、体を支える足は出ていなかったし、息を吸う音も聞こえなかった。
リノの体が意識と切りはなされ勝手に動いた……
そのように思えた。
すぐさまリノは距離を取り、セルシアを
「危ないな……、おい、やってくれたな?」
「おかしいな、そんな反応できるような半端なダメージじゃなかったはずだけど?」
「残念だけど対策済みだよ。音響兵器が使われてそうな入力はカットされるんだ」
「それでいて、僕の声は聞こえてるってわけか。さすがの腕前ですね」
セルシアは
(あとはもう、
リノも同じことを思ったらしく、綺麗な顔をゆがめた。
「次もあるし、おたがいにこれ以上の消耗戦は避けたいだろうからね。悪いけど使わせてもらうよ」
「何を……、……っなん、だ、」
セルシアの視界が突然揺らぐ。目を回しているのか。立っていられない。ひどい耳鳴り。ノイズ。土の匂い。酸の臭い。吐き気。口が勝手に開いてくる。
「これ、は……ぐ、うぅー……」
「はい、チェックメイト」
突然
「リノ、ちゃん……もしかして、あの時の」
「できればこんな勝ち方したくなかったけどね。あなたに負けるわけにはいかないんだよ」
リノがしゃがみこみ、セルシアはだらしなく緩んだ
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