魔法世界に平和を求めて

ふろっぷ Frop

プロローグ

 僕こと根本恢は、十五年間の人生で最大のピンチに見舞われている。


 一般的に治安がいいと言われるこの日本で、この状況は明日の朝刊の一面は無いにしても、二面、もしくは三面には確実に載るだろう。まあ、家では新聞を取っていないため、『中学生男子が意識不明の重体』などという見出しを僕は読まないと思う。もしくは『不審死』。


 最も、そんな状態では読みたくても読めるはずがない。


 しかし、現在僕がこうして思考できているということは、幸いにもまだ見出しのような状況にはなっていない。


 ではなぜこんな見出しを見いだす状況になってしまったのか。それを説明するためには、今朝まで時間を戻す必要がある。


 僕は、そんな魔法を使えないけれど。

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