7
「今の楽しい記憶も思い出もいつかは全部なくなっちゃうのかな?」そんなことをソラは言った。
「なくなったりしないよ。きっと」と僕は言った。するとソラは「本当に?」と僕の顔を覗き込むようにして言った。
「うん。本当」と僕は言った。するとソラは安心した顔をして「よかった」と僕に言った。
ソラはぎゅと僕の手を握った。
それはよくあることだった。
ソラは一人になることをとても、本当にとても恐れていた。「孤独は嫌い」とよく言っていた。「私たちは離れ離れにならないよね? 家族なんだからさ」とソラは言った。「離れ離れにならない」と僕はソラに言った。でもそれはソラを安心させるための嘘だった。僕たちはずっと一緒にはいられない。そんな予感があった。このときから確かに僕は感じていた。
つないでいるソラの手はあったかいのに。機械のように冷たくはなかったのに。僕はそう感じていたんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます