法のないこの世界で
@densetsunoniku
第1話 一つの依頼
紀元前3000年前、それは人類が縄を使い土器を作れるほど進化した時代だ。いや退化したのだろう。約4億3000年ほど前にはデボン紀という植物、節足動物、両生類らが海から陸に上がり、陸上生活を始めたと言われている時代だ。そんな現在の動植物の始祖にも近く、そして遠い時代よりも前に人類が存在し、高度な文明を築いていたらどうなっているのだろうか?そもそも存在しているのだろうか?
【とある城下町にある民家】
シャーロン:あっ もうこんな時間だ。
ガラララララ
???:すみません 今やってますか?
シャーロン:ちょうど今開店したけど?
ピーター:私ピーターといいます。
シャーロン:ピーターさんですか まぁ座ってください。
シャーロン:ではどういうご要件で?
ピーター:先日私の妻が殺害されたんです。でも全く民間保護のほうは動いてくれなくて…
民間保護とは兵隊の種類の一部で主に民間の事件などを取り締まる兵のことで簡単に言えば警察のようなものだ。しかし給料が高いのと戦争に送られないという特権があるので仕事は全くせず殆どを酒を飲んでたり賭け事で時間を消費したりしている。この存在のせいでこの国は法が機能しない国と言われている。それもありちゃんと働く探偵はかなり儲ける。逆に言えばかなり仕事が多くて大変だ。
シャーロン:民間保護ですか。 そりゃぁ動かないに決まってるじゃないですか。アイツラはほとんどが給料泥棒ですよ。
ピーター:そっそうなんですか。
シャーロン:まぁ一部の人には関わりがない組織だしね。できるだけ民間保護の世話にはならないほうがいいからな。
ピーター:ところで今回の事件ですが…
シャーロン:(10万未満だったら打ち切ろう)
ピーター:これでどうですか?
どすん
シャーロン:!!
ピーター:55万 前金です。
シャーロン:ごごごご55万っ!
この世界の物価は現実世界の10倍だ。よって100万という庶民では一向に支払えない。なのに550万を前金で支払うのはシャーロンにとっては異様な光景だった。
ピーター:これでよろしいでしょうか?
シャーロン:わかった。最善を得よう。
ピーター:よろしくお願いします。
シャーロン:ここでいくつかの質問をしてもよろしいですか?
ピーター:はい。
シャーロン:被害者の名前は?
ピーター:オーレン・ローズです。
カキカキ
シャーロン:ローズ家でしたか。
この国には4賢者がいる。フロス、ストロン、マット、ソフィの4人だ。賢者と言っても指定された地域を治めるだけのただのただの市長のようなものだ。そしてはるか昔この4賢者のどちらかに永遠の忠誠を誓ったものにはある特定の名をもらい、今になってはそれらに従うことを条件に貴族という立場をもらうことができる。ローズ家は賢者フロスに使える貴族の1つだ。
シャーロン:賢者フロスにはこのことを伝えましたか?
ピーター:いいえ。ただいまフロス様はストロン地区へ訪問されております。
シャーロン:手紙を送らなかったのですか?
ピーター:ストロン地区へ訪問したとしか聞いてないので。
シャーロン:送ってないと…
ピーター:はい。
シャーロン:他の貴族には?
ピーター:伝えております。
シャーロン:これで最後だ。いつ死んだ?
ピーター:昨夜です。
シャーロン:わかった。事件現場は後で教えてもらう。
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