笑いに命を

葵羽

第1話 所属

M-1グランプリ決勝。

俺たちが苦労してやっとたどり着いたこの舞台。思い切り暴れてこようじゃないか。



この時代、芸人界の事務所といえば「SHIBATAKA」か「ブルー芸能」の2強といわれていた。

俺、貝柱宏かいばしらひろむは、二人でコンビを組んで毎年末に行われるM-1グランプリでいつかは優勝することを夢見て、ブルー芸能に所属することを決めた。宏は漫才師になりたかったのだ。


しかし漫才師になりたいという希望があっても、一緒に漫才をしてくれる相方がいなければまず話にならない。何の考えもなしに事務所に入った宏は、案の定しばらくの間相方が見つからなかった。


ある日、事務所に新人さんが入ったということで、宏に挨拶しに来た。


「今月からブルー芸能に所属することになりました、金井安奈かないあんなと申しますぅ~!私も貝柱さんと同じで漫才の世界にあこがれてますぅ~!よろしくお願いしますぅ~!」


俺の前に現れた安奈という女性は、芸人を目指すのは間違っているんじゃないかと思うぐらい、とてもかわいくて良いスタイルしていた。

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