今日のボクはどっち!?

美鈴

プロローグ

プロローグ

「おぎゃあー!おぎゃあー!おぎゃあ―」  


 ようやく産まれた…私の初めての赤ちゃん…


「頑張りましたね、元気なですよ?」


「はぁ はぁ 男の…子?」


 あれ?確か先日の検査では…


「…はい…ですね。分かりやすく言えば付いていますので…」


「エコーでは…」


「そうでしたね…確かに最後に撮ったエコーでもだと思っていました…もしかしたら影になっていて映っていなかっただけなのかも知れません。そういう事もたまにあるので…」


「そうなんですね…」


 そういえばそういう事もあると聞いた事があるかも…まさか、自分がソレを経験するとは思っていなかったけど…


「とにかく…本当におめでとうございます」


「ありがとうございます、先生」


 とにかく…この子の性別はどっちでもいいか…。無事に生まれてきてくれたのだから…


 そして先生から私の赤ちゃんを受け取り初乳をあげる…。


 初乳をたらふく飲んですやすやと眠っている私の可愛い赤ちゃん。そこへ…


真理まりっ!」


晋也しんや


 私の夫である晋也が分娩室へと入って来た。


「ありがとう、真理…そして、お疲れ様」


「うん」


 出産という大仕事を果たした私を労ってくれる。


「この子が俺と真理の…」


 晋也は私に抱かれ眠った子供を私から受け取ると股間を覗き込んだ…。いきなり股間を覗き込むのはどうかと思うわよ、晋也?


 でも…そういえば性別は後のお楽しみという事で晋也は性別を聞かずに楽しみにしていたんだっけ?なら、それも仕方ないか…な?


「お、かっ!?」


「うん」


「真理っ!本当にうれしっ……ええーっ!?」


 晋也が突如驚きの声を挙げる。どうしたんだろう?


「どうしたの、晋也?」


「こ、この子の…こきゃっ、股間がぁっ!?」


 顧客?股間?何?


「ち、ちん…がっ…縮んで…」


 ちん?中国系の名前?縮む?


「さっきから何を言っ…て…えっ?」 


 その瞬間…私も見てしまった…さっきまで赤ちゃんの股間に付いていたモノが縮み……私と同じモノが現れた…。


 「「えっ…? えっ? ええ〜〜〜っ!?」」


 何!?何が起きたのっ!?こんなの見た事も聞いた事もない!?晋也も私と同じ表情をしていて開いた口が塞がらない…。


 直ぐ様担当の先生を呼んで…先生も子供を確認して目が点になって…そりゃあそうなるよね…。


 私達の子供はそれからしばらく検査入院する事になった。そのかん性別が入れ替わったのは5回…。


 判明した事といえばそういう事はあっても体は健康という事…。それからいずれも眠ってるうちに性別が入れ替わるという事…。その際だけ異様に男性ホルモンや女性ホルモンが活発になっている事…。


 それは人類史上初めての未知の病という事に認定され…私達の子供は生まれながらにその存在が有名になった…。


 そして…男性でも女性でも、どちらの性別でもおかしくないように私達は子供に星奈せなと名前を名付けた…。


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