第37話 そのメロンを育てたい…

アティム大陸・ロマネスコ王国・辺境都市・シールド・大通り


屋台で買い食いをした序でに店主に雑貨屋の場所を聞いたソラシスは…


雑貨屋に向け歩いていると…


「アレ!?ソラシスさま!」

名前を呼ばれたソラシスは、辺りを見渡して

「お!メルルちゃん」

小走りでソラシスの所に向かって来るメルル。

(スゲー…)

言葉にできない…凄さをまじまじと目撃した。


バインバインと上下に激しく揺れる二つのメロン……


(とても良い…)


ソラシスの近くに来たメルルは…

「はぁはぁ…はぁ…ふぅ~」

肩で息をするメルル。

(ウンウン…いいね!)


「メルルちゃん。大丈夫かい?」

「…はい…大丈夫です…」

「それなら良かったよ。ところで…どうしたんだい?」

「あ…その…街で偶然お見かけしたので…つい…」

恥ずかしかったのか顔を赤らめて、体をもじもじさせるメルル。

(ウンウン。その姿は…エロい…)

ソラシスは、辺りをキョロキョロ見渡して…

「メルルちゃん。取り敢えず、あのお店に入ろう」

「え!あの…」

ソラシスは、メルルの手を掴んで店に入ったのだ。


(コメダ珈琲に内装が似ているな…)


クウを連れて店内に入ったら、店員に驚かれたけど無事に入店できた。


「あの…ソラシスさま、ココのお店…高いですよ…」

「好きなの頼んでいいよ。臨時収入が入ったんだよ」

その言葉に目を輝かせるメルル。


遠慮がちに注文するメルルに追加でパンケーキを頼んだソラシスであった。


(凄いな…パンケーキにドーナツっぽい食べ物まである…だが、チョコレート類は無かったな…)


「おいしいです~♪」

幸せそうに笑顔でパンケーキを頬張るメルル。

「キュ~♪」

クウも気に入ったらしい。

「メルルちゃん。まだ食べたかったら注文しなよ~」

(そのメロンを育てたい…更なる発展の為に…そして…いずれ食べよう…)


先ほど隣のテーブルに運ばれた食べ物をチラ見していたのを、

見逃さなかったソラシスは、店員を呼んで追加注文をしたのだ。


その後、話が弾んで店内に二時間も滞在したのだった。


美味しかったパンケーキの持ち帰りを店員にお願いしたらOKを貰えたので、10枚焼いてもらい指輪に収納した。


(ウンウン。良かった良かった…天然物は良いよな…これからも定期的に、ご馳走しよう…)


その後、宿屋の仕事の為に店前でメルルと別れたソラシスは、雑貨屋を目指して移動した。


歩くこと約30分ほど…

「お!ココだな」

お目当ての店を見つけて店内に入るソラシスとクウ。


「いらっしゃいー!」


(おお…TKOの木下に似てるな…)


「フライパン、鍋、まな板、包丁、スプーン、皿が欲しい」

「承知しましたー!」

(クウを見て一瞬驚いたが、流石商人だな…今はニコニコ笑顔だぁ…)

「お客さん!こっちを見てくださいー当店自慢の商品です!」

商人に案内された品物を見るソラシスは…

(やはり…品数は少ないか…まぁ、仕方ないよな)


ソラシスは、時間をかけずに次々に雑貨類を購入していった。


「ありがとうございました~」

そこそこの量を購入したソラシスに商人は終始ニコニコ顔だった。


店を出たソラシスは、次の店に向かうべく移動した。


(全く…鬱陶しい視線だな…隠れている場所は何となく分かったから…脅すか…)


一瞬そう思ったソラシスだが…その時に…


「アレ?お兄さんにクウちゃん~♪」

見知った顔のエルフに声をかけられたのだ。




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