第152話 良き夢を

 そして就寝の時間なのだが、やはりゼスは一緒に寝たいらしい。

「別にやましい事はせんて。ただ同衾どうきんするだけじゃ。ちょびっとだけ、な?」

 ちょびっとだけって? うーん。ここで私がゴネても仕方がない。しかも先日はしっかり一緒に寝てる訳だし。

「しょうがないなぁ……」

「ぃよしっ!」

 いや、よしじゃないんだが。


 ひとつのベッドに二人で入って布団にくるまると、妙な安心感もある。しかし細い体躯を抱きながらの就寝だ。なんだかやましい気もする。ずいぶんと複雑な感覚だ。

「やっぱり慣れないなぁ」

 そんな私のボヤキも、嬉しい感情を乗せたゼスの声で抑えられる。

「いずれは慣れるわぃ。しかし……リリカは良き身体じゃのう。引き締まっておる」

 性的なのか健康的なのかは置いといて、そんな事を言われる。……少しダイエットした方がいいかな?


 そのうちに眠気がやんわりと襲ってくる。その流れに任せて、身体の力を抜き目を閉じる。

 おやすみなさい。ではまた明日。

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