フィーラの異世界花探し

@sateria

第1話 異世界の扉

エーデルブルム街の花屋「ラグランジュ・フラワーズ」は、夜の幕に包まれるなか、幻想的な灯りと花々の優雅な香りで彩られていた。店の奥で、フィーラ・ラグランジュは母と共に花々に囲まれながら、夜の仕込みを進めていた。


扉が軽く開かれる音に気づき、フィーラは花の香りを運ぶ芳醇な風に誘われて振り返った。美しい青年が店に入ってきた。彼の瞳は月明かりのように澄み切っていて、白い髪は淡い光に包まれていた。


「ようこそ、ラグランジュ・フラワーズへ。どのような花がお求めですか?」フィーラが親しみを込めて迎えると、青年は微笑みながら答えた。


「エリオスといいます。月の光に照らされるような美しい花束をお願いしたいのです。」


フィーラはエリオスの注文を受け、彼にぴったりの花々を組み合わせた。そのとき、エリオスが突然言った言葉が、彼女の人生を変えるきっかけとなることを知る由もなかった。


「でも、私はもっと特別な花が欲しいんだ。異世界の花が見たいんだ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る