第14話 これからは、一緒に
そしてネフィリムは笑顔で会釈をしてから靴を脱ぐ。
母親はもうすっかり催眠にかかって満面の笑み。どうすることもできなかった俺は、ただ不自然な態度にならないようにネフィリムを案内するしかなかった。
俺の部屋に案内。(なお父親と妹とすれ違ったが母親と同じ様に催眠をかけ、俺の彼女設定を植え付けた模様)
すぐに母親は紅茶を入れてきた。高そうなティーカップ、紅茶自体も香りが良くていつもよりも値段が張るものを使っているのがわかる。かなり気合入ってるな。
「おおっ、この紅茶とても美味しいのじゃ。素晴らしい味なのじゃ」
嬉しそうに紅茶を飲むネフィリム。そんなこいつに俺は──軽くネフィリムの頭にチョップをかます。
「あいた!」
ネフィリムは涙目で頭を押さえ不満そうに唇を尖らせる。
「なんなのじゃぁ~~」
「人の親を勝手に洗脳するな」
「だって、その方が話が早いではないか。これから先わらわは何度もそちに頼る。何度も家に行ったら交際相手だと疑われる。どうせそちは交際相手なんてできないんだしそれなら彼女ということにした方が良いと思ったのじゃ。この世界のことを学んでのう。それに」
「それに?」
「そちは、正義感という点ではわらわが出会ってきた人の中でも1.2を争う存在じゃ。敵同士であっても、そういった素晴らしさは知っておる。敵とはいえ、あっぱれなものじゃった。そんなそちだからこそ、信頼できる。一緒にいようと思ったのじゃ。よいか?」
「それはありがと。もう遅いしわかった。ただ、周辺の人の脳をあまりいじらないでくれ、わかったな」
「いいのか? それはうれしいのじゃ!!」
ネフィリムがとてもうれしそうにベッドの上でぴょんぴょんはしゃいだ。
はしゃいでいる姿はとてもかわいい。あと、胸元が丸見えな服ではしゃいで体を揺らしているせいでおっぱいがすごく揺れている。
ついつい、胸元に視線が向いてしまう。顔を真っ赤になり目をそらす。しかし、やっぱり大きくて形もいい
一瞬だけちらっと胸を見ると、ネフィリムもこっちを見て目が合ってしまった。ネフィリムは何かを察したようににやりと笑みを浮かべ前かがみになった。わざと胸を強調してきて、谷間が見えてしまう。
「おっ、揉みたいのか? 女の子は視線に敏感なのじゃ。あまり他の人のおっぱいをじろじろ見ると嫌われるのじゃ」
「うるさい、そんな服着てるからだろ。俺だって男なんだ」
「まあ、見られるのは慣れておるからのう。今更じゃ。男どもはみんなみんなわらわの魅力にメロメロなのじゃ」
えっへんと言わんばかりに腕を組んで体がはねる。自信満々の表情。
いつもそんな感じだった。戦うたびに揺れる揺れる。初めて会った時は、目をそらして神経を集中していたほどだ。
おまけに、冒険者仲間にもネフィリムのスタイルとおっぱいに惹かれる人も多数。
「全くよいではないか、その方が動きやすいではないか。大体、どんな服を着ようとわらわの勝手ではないか」
「隣にいるだけで、恥ずかしいんだよ」
「気にすることないのじゃ。よいではないか」
腕を組んで、自信満々な表情をしている。まあ、自分が問題ないなら勝手にやってくれ。俺がかかわることじゃないし。ネフィリムが簡単に意見を変えるとも思えないし。
「とりあえず、これからどうするつもりだ?
「これからじゃが~~いろいろ考えた結果、そちと手を組もうということになった」
「え──」
その言葉に、唖然となり言葉を失ってしまった。
「わらわ一人では こっちの世界のことも、完全に分かったわけではない。しかし、他に行く当てもないし頼れる人もいない。お願いなのじゃ」
一緒に行動? 色々と胃が痛くなりそうだ。考えたこともなかったな。
考え込んでいると、ネフィリムが耳元に手を当て、ひそひそと話しかけてきた。
「あっちの世界で蓄えた財宝を、分け与えてやってもよいぞ」
「え──」
「財宝での支払いに難を示すというのなら、わらわの体で支払ってもよいぞ」
そういって俺の手をつかむと、自分のおっぱいに誘導してきて揉むように触らせてきた。
むにょむにょ──わし掴み出来るくらい大きくて、マシュマロみたいにやわらかい。
うぅ……男にとって、たまらない身体してる。って駄目だ、一歩引いて冷静になる。
「そんなこと、しなくていいから」
「で、わらわと組んでくれるのか?」
こっちに迫ってくるネフィリム。真剣な表情。どうするか……配下たちの事を考えるとこの世界から逃げるわけにはいかないようだ。
いくら予習したとはいえ、ずっと生きるか死ぬかで戦ってきたこいつらがこっちの世界でうまくいくとは思えない。
それなら無碍に扱ったりせず隣にいて見張っていた方がいいのではないか。時には彼女たちの間違いを指摘したり、一緒にいたりした方がいいと思う。それに、ネフィリムのルックスにつられて少しでも視聴者が増えてくれればこっちだって徳がある。
うん、総合的に見てそっちの方がいい。それに、一緒に行動する人がいるというのは心強い。
それに報酬。流石に体を要求するわけにはいかないが。仮にも魔王だったのだから、それなりの財産を持っていると思う。ふんだくるわけではないが、相応の対価を払ってくれるなら協力してもいいか。
「わかった、しばらくの間一緒に組もう。何かおかしいことがあったら指摘するから」
「おおっ、それはうれしいのじゃ。ありがとうなのじゃ!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます