鬼天竺鼠《おにてんじくねずみ》の件《くだり》

 ここ、花のみやこ鹿児島かごしま混沌こんとんとしており、人だけでなく、神に鬼神きしん人外じんがい勿論もちろんあやしの者どもが闊歩かっぽしております。

 その中にいささか対処に困る者がおり、その名を鬼天竺鼠おにてんじくねずみと申します。

 とても大きく遠くからやって来たねずみと言う意味で、気性きしょういたって温厚おんこう


 みやこのあちこちの公園にあらわれては子供達と遊び。



特に幼女には目がなく、めそやし甘やかすため、かどわかすつもりはないのですが、幼女達がついて行ってしまい、親のとどけを聞いて探しますと。

鬼天竺鼠おにてんじくねずみの家できゃっきゃきゃっきゃとにぎやかにしている所へ、N岡警部けいぶなどがみ込むものですから、幼女達が泣きじゃくる。



何かがいわけでもなく、事情が分かり居場所が分かれば、とどけを出した親にしてみれば逆に有りがたい話し、この様な次第しだいでほとほと困りてているのです。


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