短歌連作「十一月のある日」
七水とひろ
第1話
世界から光が静かに消えました十一月のある日のことです
そのことは誰も気づきませんでしたみんな瞼を閉じていました
黒であり白でもあってどちらでもない虹色の空になります
宇宙では核融合が起きていて光の代わりに音が鳴ります
真空に音は奇妙に反射して星の音色が響いていました
月はいま音を集めてみたくなり模様を蓄音機に変えました
おとめ座は月に聞かせるためだけの歌を静かに口ずさみます
あくる日も変わらずまた日は昇ります東ではなく西の空から
短歌連作「十一月のある日」 七水とひろ @tohironanami
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